「eスポーツで高齢者の介護予防」初挑戦の70代は夫婦でぷよぷよ対決 注意点も 佐賀・武雄市がスタート
佐賀県武雄市で7日、高齢者の介護予防につなげようとユニークな取り組みが始まりました。取り入れたのは、対戦型のゲームを競技として行う“eスポーツ”です。
7日訪ねたのは、佐賀県武雄市の公民館です。
■元木寛人フィールドキャスター
「たくさん集まっています。コントローラーを持ってゲームをしていますね。」
テレビゲームを楽しんでいたのは、近所に住む67歳から86歳までの高齢者23人です。ただ遊んでいるのではありません。7日から佐賀県武雄市で始まった『シルバーeスポーツ教室』です。
■武雄市・小松政市長
「eスポーツをすることで脳が活性化する。みんなが集まってワイワイ楽しむことで明るく元気な毎日が暮らせると思っています。」
武雄市は、コントローラーを操作し指先を使うことで脳が活性化し、認知機能の低下防止などにつながることを期待しています。お年寄りが特に夢中になっていたのが、対戦型のパズルゲーム「ぷよぷよ」です。
ぷよぷよは、落ちてくる“ぷよ”を同じ色でつなぎ、消していくもので画面上部にある×印まで先に積み上がってしまった方が負けとなります。
■担当者
「いっぱい消すと、こっちのほうに邪魔するやつが行く。逆に自分が消したら相手の方に行くんです。」
■参加者
「さっきね、いっぱいもらったもん。」
こちらは、ともに「ぷよぷよ」初挑戦だという陶芸家の浦郷さん夫妻が対決です。妻のみどりさんはあまり隙間がなく積み上がり、追い込まれた状況に。
■元木フィールドキャスター
「おっと苦しくなってきた。反撃なるか。」
そこから連鎖で“ぷよ”を消し、ピンチを脱します。
■元木フィールドキャスター
「まだ依然として旦那さん優勢。どうする、2連鎖、3連鎖、逆転勝利だ!ガッツポーズが飛び出しました!」
■逆転勝利!浦郷みどりさん(74)
「集中はできますね。長い時間は無理だけど、これくらいの時間だったら。」
■妻に惜敗 浦郷好文さん(75)
「楽しいですね。みんなで集まってするのがいいですね。」
高齢者も夢中になるシルバーeスポーツ教室。高齢者の健康につながるのか、eスポーツと脳の関係に詳しい筑波大学の松井崇助教に聞きました。
■筑波大学・松井崇助教
「eスポーツで介護とか認知症予防に寄与しうる点が2つ考えられます。1つ目がいわゆる“脳トレ”的な効果です。判断力、記憶力、注意力が高齢者でも高まる。もう一つが絆(きずな)を形成することによって孤独を解消するという効果です。」
そして、今回使用した「ぷよぷよ」というゲームについては。
■松井助教
「色と形を見分けて、それをつないでいくような判断力。つなぎ合わせていく認知機能は、脳トレ的な効果として期待できると言えると思います。」
eスポーツの効果を認める一方、注意すべき点もあるといいます。
■松井助教
「2時間以上、連続的にやるようなスタイルというのは、逆効果になる可能性があるので気をつけた方がいいかなと思います。散歩するとか体をちょっと使った休憩時間を取ると、ゲ ームの効果も促進される。」
■参加者
「やりだしたら、はまるんじゃないかな。また挑戦してみたいなという気持ちはありますね。」
「リハビリになるんやったら、本当によかねって。感動しました。」
武雄市は今後も市内9つの会場で、高齢者を対象に毎月1回程度、無料でこの教室を実施する予定です。