「こんなところにおるったい」特定外来生物のアライグマ 県内での発見は10年で10倍に 無資格で捕獲はダメ 福岡
福岡県庁で13日、野生のアライグマの捕獲方法を学ぶ講習会が開かれました。アライグマは都市部にも現れるなど生息域が広がり、全国的な問題となっています。
こちらは、11月30日に福岡県志免町で撮影された映像です。視聴者から寄せられました。しましまのしっぽに、目の周りが黒くなっているのが特徴のアライグマです。
■撮影した人
「人間慣れしているような感じ。逃げもせず居座ってうろうろする感じで。車通りは多いし、人も通るし、家ばっかり周りにあるので。こんなとこにおるったいと思って。でも、正直かわいいなと思ってしまいました。」
アライグマは、そのかわいらしい見た目と裏腹に、国の「特定外来生物」に指定されています。農作物を食い荒らすほか、2020年には、朝倉市で飼育されていたメダカがアライグマに食べられる被害も起きています。さらに、人やペットなどに感染症を媒介する恐れもあります。
テレビの人気アニメの影響もあり、ペットなどとして輸入され、逃げ出したり捨てられたりした個体が野生化し、繁殖を繰り返して生息域を拡大しています。
福岡県のまとめでは、2014年度のアライグマの発見報告は375件でした。そこからどんどん増加し昨年度は3697件と、10年間でおよそ10倍となっています。
こうした中、福岡県庁では13日、アライグマを捕獲できる人を養成するための講習会が開かれました。
■北九州市職員
「市民の相談や、実際の対策で生かせるかなということで、参加しました。」
■古賀市から参加
「自宅で畑をやってるから、監視カメラにアライグマかタヌキ、どっちかが映っていたから。聞いておかないといけないなと。勝手にやって、逆に“ご用”になったらいけないから。」
野生のアライグマを資格無しに捕獲することは、法律で禁じられています。ただ、この講習を受け自治体に登録することで、生活環境や農作物などに被害を及ぼすアライグマの捕獲が認められるということです。講習では、生態や被害状況などの座学のほか、実技も行われました。
■中村安里アナウンサー
「受講者の皆さんが、実物のわなの構造や使い方を確認しています。」
この講習は12月まで、今後7回開かれる予定です。
■福岡県 自然環境課・藤野広課長
「(アライグマは)人の住んでいるところに近い所に好んで住む。どうしても捕まえる必要がある場合は、防除講習会をぜひ受けていただきたい。」
講習会を受けていない人がアライグマを見つけた場合は、自治体に報告してほしいと呼びかけています。