ゾウの死因はゾウヘルペスウイルス 骨格標本として博物館に収蔵 研究に活用へ 福岡市動物園
7月にミャンマーからやってきて、9月に死んだアジアゾウについて、福岡市動物園は13日、死因はゾウヘルペスウイルスだったと発表しました。
死んだゾウは7月にミャンマーからやってきた4頭のうちの1頭で、12歳のメスです。
死亡直後の解剖で、ゾウヘルペスウイルスを発症した時にみられる出血が確認されていましたが、死因の特定に至らず、山口大学と北海道大学に詳しい検査を依頼していました。
その結果、北海道大学でのウイルス検査では主な臓器やリンパ節からゾウヘルペスウイルスが検出されました。山口大学での病理学検査では主な病変がゾウヘルペスウイルス感染と一致し、細菌検査で細菌が直接的な死因である可能性は低いことが分かったということです。
これらの結果を踏まえ、福岡市動物園は死因はゾウヘルペスウイルスと結論づけました。
死んだゾウは、東京大学総合研究博物館で骨格標本として収蔵され、研究に活用されるということです。
福岡市動物園では11月、残る3頭のゾウの公開が始まりました。
公開とともに、ゾウが暮らす緑生い茂る森にちなんで公募で決まった名前も発表されました。14歳のオスが「あお」、22歳の母親ゾウが「ゆずは」、3歳のメスの子ゾウが「わかば」です。死んだゾウにも「すい」という名前が付けられています。
園としては7年ぶりのゾウで、来園者数は去年の同じ時期の1.5倍に増えているということです。
ほとんどのゾウはゾウヘルペスウイルスに「潜伏感染」しているということで、福岡市動物園は「3頭のゾウが発症しないように、しっかり予防に取り組んで大切に育てていきたい」とコメントしています。