【全面公開】7年ぶりのゾウ 坂を上り下り・母乳を飲む子ゾウ 初めてゾウを見た2歳は 福岡市動物園
こちらは、この夏、ミャンマーから福岡市動物園にやってきたアジアゾウです。11月30日から全面公開が始まりました。それぞれの名前も発表され、7年ぶりの公開を心待ちにしていた人々でにぎわっています。
■鬼丸ゆりか記者
「開園5分前、入口前には多くの人が列をつくっています。」
11月30日、開園前の福岡市動物園には多くの人が並びました。そのお目当ては。
■訪れた人
「ゾウを見に来た!楽しみ!」
「ゾウが大好きです。活発に動いているところを見たい。」
■豊永心春ちゃん(2)
「ゾウさん好きー!」
先頭にいたのは、福岡県糸島市から家族とともに訪れた豊永心春(こはる)ちゃん(2)です。母親の智子さんは、心春ちゃんにゾウを見せたい理由がありました。
■母・智子さん
「(娘が)ゾウをまだ見たことなかったので、今回その機会が巡ってきたので楽しみに来ました。」
■園児たち
「ゾウさーん!」
多くの人がゾウたちを出迎えました。親子のゾウは普段と違う様子に驚いたのか、一度、寝室に戻りましたが、慣れると外に出てきてエサを食べていました。
4頭のアジアゾウはことし7月、およそ4000キロ離れたミャンマーから飛行機でやってきました。新しい環境に慣れてもらうため、すぐに全面公開はせず慎重に体調管理をしていましたが、ことし9月、12歳のメスのゾウが急死しました。病死とみられています。
そして、全面公開は当初の予定より1か月、延期されました。悲しみを乗り越え、福岡市動物園では11月30日、およそ7年ぶりにゾウの公開が始まりました。
公募から決まった名前も発表されました。ゾウが暮らす緑生い茂る森にちなんで、14歳のオスは「あお」、22歳の母親ゾウは「ゆずは」、3歳の子どものゾウは「わかば」、急死した12歳のメスは「すい」と名付けられました。
■鬼丸記者
「こちらメスのゾウ舎では、親子ゾウが坂を下りる姿を見ることができます。」
ゾウが高低差13メートルの坂を上り下りする迫力ある姿や、水遊びをする姿、さらに、3歳の「わかば」が母親の母乳を飲む愛らしい姿を見ることができます。
生まれて初めて、ゾウに会いに来た心春ちゃんは。
■心春ちゃん
「赤ちゃんゾウ!ぱおーん!」
■母・智子さん
「この反応を見たら、見せてよかった。生まれたばかりにきた時はゾウがいなくて。元気いっぱいな姿を見られてうれしい。お母さんに駆け寄っていく姿が、ちょっと重なる部分があってかわいい。」
全面公開の初日に“ゾウデビュー”を果たした心春ちゃん。心春ちゃんにとっても家族にとっても、忘れられない思い出となりました。
福岡市動物園では、ゾウの全面公開に合わせて園内のレストランに新しいメニューが登場しました。14歳のオスのゾウの名前が入った「あおのゾウさんプレートジビエハンバーグ」です。
■鬼丸記者
「ハンバーグは肉肉しくて甘みがあってすごくおいしいです。全く臭みがありません。」
福岡県田川市で捕獲された鹿とイノシシの肉を使ったハンバーグは、ゾウの顔をモチーフにしています。牙に見立てた鹿の骨にはジャーキーが付いていて、食べることができます。
ゾウを心待ちにしていた人は。
■訪れた人
「すごい。急な坂を上っているから。初めて見た。」
「前からずっと待っていたの。わかばちゃんがかわいいね。あそこ下ってくる時、ツルツルと滑ってかわいい。」
「3世代、私たちと娘と孫と。ずっと長生きして、この子たちが大きくなってからでも会えるように、それを楽しみにしています。」
7年ぶりに福岡市動物園に戻ってきたゾウ。迫力のある大きな体と愛らしいしぐさが人々の心をつかみます。