【台風10号】福岡には30日未明~明け方に最接近か 非常に強い「ノロノロ台風」今からできる備えは
非常に強い勢力の台風10号の接近に備え、県内でも対策が始まっています。今回の台風は、ゆっくりとした速度で進んでいて、影響が長引く恐れがあります。専門家に、いまからできる備えを聞きました。
27日も、じりじりとした強い日ざしが照りつけました。福岡県・太宰府市では名物の梅が枝餅を売る店の人もうんざりした様子です。
■茶房 きくち・菊地裕子社長
「もう飽きました、暑さにも。対策をとっているけれど、“焼け石に水”。」
最高気温は37.2℃で、太宰府市では40日連続の猛暑日となり、国内最長記録を更新し続けています。そのほか、朝倉市で38.2℃、福岡市で37.4℃など、各地で猛烈な暑さとなりました。
そんな暑さを和らげるような涼やかな音色が響く、福岡県小郡市の如意輪寺では「風鈴まつり」が行われていますが。
■元木寛人アナウンサー
「いま、こちらでは住職や地元の皆さんによって、風鈴を取り外す作業が行われています。」
■作業をしている人
「台風、きょう下ろしとかんと、やばい。」
台風10号の接近に備え、26日から27日にかけて、およそ7000個の風鈴が全て片づけられました。
■訪れた人
「悲しい。」
「ぎりぎり間に合ったね。きょうも午前7時くらいに出てきたんですよ。ちょっと遅かったら見られなかったかもしれない。」
■如意輪寺・原口元空 住職
「皆様に願い事を書いていただいた風鈴になりますので、台風で割れたりということもしますので、できるだけ割れないようにと片づけております。」
風鈴は今後、台風が通過したあとに再び飾る予定だということです。
非常に強い勢力に発達した台風10号は、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートルとなっています。鹿児島県奄美市の東をゆっくりとした速さで西北西へ進み、今後、方向を変え九州に上陸する恐れがあります。
27日午後2時、福岡管区気象台などが合同で緊急会見を開き、台風への厳重な警戒を呼びかけました。
■福岡管区気象台 予報課・星野篤志 主任予報官
「九州北部地方で25メートルを超える風が予想されており、29日から暴風域に入る予想となっています。九州北部でも29日から30日にかけて警報級の大雨となる見込みとなっています。」
福岡県には30日の明け方から朝にかけて、最接近する見込みです。※その後、最接近の見込みは30日の未明~明け方に更新されました。最新の情報をご確認ください。
■星野 主任予報官
「台風の動きが遅く、長い時間、暴風雨や大雨の影響を受ける恐れがあります。」
福岡管区気象台などは、風が強くなる前に避難するなど早めの対策を呼びかけています。
台風に備え、今のうちからできる対策について、防災士の因幡那水(いなば・なみ)さんに話を聞きました。
■財津ひろみアナウンサー
「たくさん用意されていますね。」
■防災士・因幡那水さん
「いろんなところに散らばっているものを台風に備えて、ひとまとめに集めたところです。風が強いこともありますので今回、停電をすごく警戒しています。」
厳しい暑さが続く中、停電した場合の暑さ対策が重要だといいます。
■因幡さん
「保冷剤をお持ちの方は、電気が通っている間に凍らせておく。」
すぐに使えるよう、ひとまとめにしておくのがオススメです。さらにペットボトルの水をそのまま凍らせれば、体を冷やすことも、冷たいまま飲むこともできます。
そして、生活に欠かせないスマートフォンのバッテリーが切れた場合にも備えておきましょう。
■因幡さん
「大切な人、家族の連絡先を紙のメモに残しておくことをやっています。災害用伝言ダイヤルもあるのですが、番号がないと使えないので。」
そのほか、非常用カバンの中身は濡れないように保存用の袋に小分けにし、1泊分を想定し持ち運べる量にしておくといいとのことです。
因幡さんは事前の備えとして最大限の被害を想定しておくことが重要だとしています。
今後、さらに勢力を増すとみられる“ノロノロ”な台風10号。影響が長引く恐れがあるため、早め早めの備えが重要です。