「ペットボトル」「ビーチサンダル」「うき」…アート作品の素材は海岸への漂着物!? 制作者の男性とは【徳島】
皆さん、ビーチコーミングをご存じでしょうか?
海岸に打ち上げられた、貝殻や木といった漂着物を収集して観察することなんです。
徳島県海陽町にこのビーチコーミングなどで集まった漂着物を使って、アート作品を作り続けている男性がいます。
一体なぜ作り始めたのか、制作者の素顔に迫りました。
(大江実結記者)
「こちら県立博物館のエントランスなんですが、見てください、巨大なアート作品があります。実はこれ、全部漂着ゴミでできているんです」
徳島県立博物館に突如現れた、高さ3.6mの人型ロボットのようなアート作品17体。
よく見れば、素材はライターや450個のビーチサンダル、さらに道路標識まで見ることができます。
漂着ゴミを使ってできた、まさに漂着レンジャー。
(来場者)
「正面から入った時に、色んなウキで作っていたのでびっくりしました。制作者にお会いしたいものですね」
ということで、実際に会いに行ってみました。
やってきたのは、海陽町の元スーパーだった場所。
県立博物館に展示されていた漂着物のアートの作者、海陽町在住の吉田一郎さん(64)です。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「一つ一つは本当に漂着プラスチックごみと言われているけど、自分としては誰かが使ってたやつだから、どこから流れてきたのかなあとか。ビーチサンダルでも1個はゴミだけど、ああいう風にまとめ上げたら自立できるじゃないですか。漂流してたものが航海に出るって感じで、ゴミでなしに、『うわ、こんなにあんねや』って、ビックリしてもらえるんが自分としては嬉しい、楽しい」
吉田さんは約20年前に大阪から移住してきました。
本業は織物作家、個性あふれるサコッシュやこのコートも手作りで販売しています。
その傍ら続けてきたアート活動、約30年前に作り始めたのが県立博物館にもあった「おおびとさん」シリーズです。
始めはパッチワークで作られ、大きなものは縦・横15m以上あり、全国各地で展示を行ってきました。
きっかけは吉田さんの子どもが1歳で歩き始めたとき。
どんな世界が見えているのか、想像力を膨らませました。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「だいたい3m70cmの『おおびとさん』を作っているんですけど、子どもから見たら大人は巨人っていうのがテーマで、歩き出した子が70cmくらいで、その子から見た大きさ、僕らが子どもだったら大人ってこれくらいに見える。それで『おおびとさん』を作り出した、色んな素材で。それのながれで、漂着物でもやりました」
こちらへの移住をきっかけに、漂着物に辿り着いたという吉田さん。
これまで集めたものを見せてもらいました。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「ここでだいたい漂着物を固めている。県立博物館にあるものはただでかいだけで、基本的には紐でつけているだけ。これはキャップ、これはウキみたいな、だからこれをただ巨大にしただけ、しつこく。これビーチサンダル」
流れ着いてくるペットボトルにも特徴があるようで。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「こういう色付きは、だいたい外国。いま日本はだいたい透明」
リサイクルのため、日本では色付きのペットボトルはあまり生産されてないとのこと。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「これ多分『レッドブル』真似してると思うけど『紅牛』。漂着ゴミプラスチックごみとか言ってるけど、みんなが使っているものが流れてくるから、それが国境問わず流れてくるから、今の時代がばっと出てくる」
保管場所の都合で、最近はビーチコーミングに行っていないという吉田さん。
この日は久々に海岸に出向きました。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「漂着物でも一番多いのは漁具。漁とかすごいからね、こんなんもうどうしようもないもんね。こんなんがウミガメとかに絡まったりする」
歩くことわずか数分、海岸に流れ着いたウキやタイヤなど漂着ゴミを次々と見つけていきます。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「ゴルフボールあるやろ。ここは割とゴルフボール流れ着きやすい、なぜか。嵐のあととかだったら20個ぐらい流れ着いてくる。(Q.どこでみんなゴルフしてるんでしょうね?)だいたい同じような所に固まって流れ着く」
中にはこんなものまで。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「こういう境界のも、こういうのも結構流れ着くねん」
そして記者が見つけたのは。
(大江実結記者)
「うわ 見てこれ。これよくないですか?」
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「いい、いい」
(大江実結記者)
「なんだろうこれ」
海岸には、思いもよらない出会いが詰まっているんですね。
吉田さんは、最近こちらのアトリエを開放して織物教室や図書館など、地域の人が交流できる場所にしようと考えています。
(近所の少年)
「ここにこんなやつができてて、なんかびっくりして。本当に入れて、めっちゃ嬉しい。ありがとうございます」
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「ものづくりの子どもに対して、なんかやってる感じがするねんね。勝手に『デロリアンプロジェクト』、『デロリアン』って考えてて、『バックトゥザフューチャー』のタイムマシンのデロリアンがゴミ燃料にして過去とか未来とか行けるでしょ。未来のものづくりの子どもとつながるよっていうのも。だからこの(看板の)『200m先』を『200年先』に変えて、200年先の仕事を今しようと。それがゴミがゴミでなくなるんじゃないかと」
作品の大きさに比例して抱くのは、海よりも広く大きな夢。
今後展示したい場所が、海を越えた先にあるそうで。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「今、一番狙っているのはテート(イギリス)、世界に行きたい」
吉田さんの作品「おおびとさん」たちは、6月9日まで県立博物館で行われている漂着物の展覧会「海からどんぶらこ ~知られざる漂着物の世界~」の一部として、エントランスに展示されているので、興味を持たれた方はぜひ見に行ってみてください。
海岸に打ち上げられた、貝殻や木といった漂着物を収集して観察することなんです。
徳島県海陽町にこのビーチコーミングなどで集まった漂着物を使って、アート作品を作り続けている男性がいます。
一体なぜ作り始めたのか、制作者の素顔に迫りました。
(大江実結記者)
「こちら県立博物館のエントランスなんですが、見てください、巨大なアート作品があります。実はこれ、全部漂着ゴミでできているんです」
徳島県立博物館に突如現れた、高さ3.6mの人型ロボットのようなアート作品17体。
よく見れば、素材はライターや450個のビーチサンダル、さらに道路標識まで見ることができます。
漂着ゴミを使ってできた、まさに漂着レンジャー。
(来場者)
「正面から入った時に、色んなウキで作っていたのでびっくりしました。制作者にお会いしたいものですね」
ということで、実際に会いに行ってみました。
やってきたのは、海陽町の元スーパーだった場所。
県立博物館に展示されていた漂着物のアートの作者、海陽町在住の吉田一郎さん(64)です。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「一つ一つは本当に漂着プラスチックごみと言われているけど、自分としては誰かが使ってたやつだから、どこから流れてきたのかなあとか。ビーチサンダルでも1個はゴミだけど、ああいう風にまとめ上げたら自立できるじゃないですか。漂流してたものが航海に出るって感じで、ゴミでなしに、『うわ、こんなにあんねや』って、ビックリしてもらえるんが自分としては嬉しい、楽しい」
吉田さんは約20年前に大阪から移住してきました。
本業は織物作家、個性あふれるサコッシュやこのコートも手作りで販売しています。
その傍ら続けてきたアート活動、約30年前に作り始めたのが県立博物館にもあった「おおびとさん」シリーズです。
始めはパッチワークで作られ、大きなものは縦・横15m以上あり、全国各地で展示を行ってきました。
きっかけは吉田さんの子どもが1歳で歩き始めたとき。
どんな世界が見えているのか、想像力を膨らませました。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「だいたい3m70cmの『おおびとさん』を作っているんですけど、子どもから見たら大人は巨人っていうのがテーマで、歩き出した子が70cmくらいで、その子から見た大きさ、僕らが子どもだったら大人ってこれくらいに見える。それで『おおびとさん』を作り出した、色んな素材で。それのながれで、漂着物でもやりました」
こちらへの移住をきっかけに、漂着物に辿り着いたという吉田さん。
これまで集めたものを見せてもらいました。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「ここでだいたい漂着物を固めている。県立博物館にあるものはただでかいだけで、基本的には紐でつけているだけ。これはキャップ、これはウキみたいな、だからこれをただ巨大にしただけ、しつこく。これビーチサンダル」
流れ着いてくるペットボトルにも特徴があるようで。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「こういう色付きは、だいたい外国。いま日本はだいたい透明」
リサイクルのため、日本では色付きのペットボトルはあまり生産されてないとのこと。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「これ多分『レッドブル』真似してると思うけど『紅牛』。漂着ゴミプラスチックごみとか言ってるけど、みんなが使っているものが流れてくるから、それが国境問わず流れてくるから、今の時代がばっと出てくる」
保管場所の都合で、最近はビーチコーミングに行っていないという吉田さん。
この日は久々に海岸に出向きました。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「漂着物でも一番多いのは漁具。漁とかすごいからね、こんなんもうどうしようもないもんね。こんなんがウミガメとかに絡まったりする」
歩くことわずか数分、海岸に流れ着いたウキやタイヤなど漂着ゴミを次々と見つけていきます。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「ゴルフボールあるやろ。ここは割とゴルフボール流れ着きやすい、なぜか。嵐のあととかだったら20個ぐらい流れ着いてくる。(Q.どこでみんなゴルフしてるんでしょうね?)だいたい同じような所に固まって流れ着く」
中にはこんなものまで。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「こういう境界のも、こういうのも結構流れ着くねん」
そして記者が見つけたのは。
(大江実結記者)
「うわ 見てこれ。これよくないですか?」
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「いい、いい」
(大江実結記者)
「なんだろうこれ」
海岸には、思いもよらない出会いが詰まっているんですね。
吉田さんは、最近こちらのアトリエを開放して織物教室や図書館など、地域の人が交流できる場所にしようと考えています。
(近所の少年)
「ここにこんなやつができてて、なんかびっくりして。本当に入れて、めっちゃ嬉しい。ありがとうございます」
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「ものづくりの子どもに対して、なんかやってる感じがするねんね。勝手に『デロリアンプロジェクト』、『デロリアン』って考えてて、『バックトゥザフューチャー』のタイムマシンのデロリアンがゴミ燃料にして過去とか未来とか行けるでしょ。未来のものづくりの子どもとつながるよっていうのも。だからこの(看板の)『200m先』を『200年先』に変えて、200年先の仕事を今しようと。それがゴミがゴミでなくなるんじゃないかと」
作品の大きさに比例して抱くのは、海よりも広く大きな夢。
今後展示したい場所が、海を越えた先にあるそうで。
(漂着物でアート作品を制作 吉田一郎さん(64))
「今、一番狙っているのはテート(イギリス)、世界に行きたい」
吉田さんの作品「おおびとさん」たちは、6月9日まで県立博物館で行われている漂着物の展覧会「海からどんぶらこ ~知られざる漂着物の世界~」の一部として、エントランスに展示されているので、興味を持たれた方はぜひ見に行ってみてください。