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南海トラフ巨大地震や河川氾濫といった災害に備え「事前復興」について考えるシンポジウム【徳島】

2024年3月8日 20:30
南海トラフ巨大地震や河川氾濫といった災害に備え「事前復興」について考えるシンポジウム【徳島】
南海トラフ巨大地震や河川氾濫といった災害に備え、被災後の復興策をあらかじめ考えておく「事前復興」計画。

6日、徳島阿南市で、阿南高専や徳島大学など県内外の高専・大学の研究者や学生らが中心となり、「事前復興」について考えるシンポジウムが開かれました。


(阿南高専創造技術工学科 多田豊准 教授)
「事前に復興計画をたてていくことがいま望まれています」

6日、徳島県阿南市で開かれた「阿南市事前復興シンポジウム」。

県内外の専門家や地元住民ら多くの人が集まりました。

(阿南高専創造技術工学科 多田豊准 教授)
「工業出荷額については、徳島市を抜いて阿南市が1位になっており、阿南が大きな被害を受けてしまうと、徳島県全体の経済にも影響を及ぼします。ですので、阿南の早期復興は非常に重要なことです」

阿南高専では、自由な発想からアイデアを出し合おうと、徳島大学や東京大学などと連携しながら、創造技術工学科の多田豊准教授が中心となり事前復興の研究を行っています。

(ワークショップの参加者)
「実際に災害が起きたときにスムーズに復旧を進めていく部分で、地籍調査をすすめていこうという案になった」

今年度は、日亜化学工業などがある阿南市の中野島地区を対象に研究していて、これまで地元住民らも交え、2度のワークショップを開いてきました。

この日のシンポジウムの第一部は、今年度の研究のまとめとなるものでした。

(東京大学大学院 羽藤英二 教授)
「大学の先生の試算では、東日本大震災からいま13年経とうとしていますが、南海トラフでは復興に20年かかるということが言われています。同時多発的に被害が起きますので、東日本大震災を想定してはいけないということも言われている。そういう中でいったい何ができるか。事前にしてないことはできないので。全国から人が駆けつけて、阿南のことをみんなで一緒に考えようと」

そこで、基調講演を行った都市計画などの専門家である東京大学大学院の羽藤英二教授は、能登半島地震を例に挙げ、阿南市が被災した場合の影響の大きさを次のように話しました。

(東京大学大学院 羽藤英二 教授)
「阿南と共通するのは、能登半島は実は世界トップシェア企業がけっこうあるんです。経済的な生産量が1兆円をこえるぐらいの規模の能登半島経済圏でして、そういう所の被害が甚大でした」

日亜化学工業をはじめ、大きな企業がある阿南市。

発災した場合、命を守ることは第一ですが、企業の活動をどうしていくかも事前に考えておく必要があるというのです。

この話を受け、参加した大人たちは険しい表情を見せました。

そこに東京大学と阿南高専の学生が、それぞれ考えてきた事前復興プランを発表し、一筋の光が見えました。

まず、東京大学の学生3人は「人と地域拠点のつながりで街に活気と備えを」というコンセプトのもと、発表を行いました。

(東京大学の学生)
「開業を控えている徳島南部自動車道阿南IC開業を見据えて、阿南IC付近での新しい街づくりを展開します」

広域で見ると、沿岸部に偏っている産業などを内陸部や高台に移転することを重視した方が良いなどと述べました。

続いて、中野島地区の住民らとのワークショップにも参加してきた阿南高専の学生3人も発表しました。

ここで彼らが強調したのは、奇しくも東京大学と同じでした。

(阿南高専の学生)
「今回の提案ですごく重要だと感じたのが、高速道路が(阿南まで)開通されるという点です。実際に関西圏とのつながりがあり、また、生活面の変化も期待されると思うが、さらに災害時の支援や早期救助も可能になるのではと考えられる」

また、太陽光や雨水を利用することなどで、既存のインフラを必要としないオフグリッドハウスの提案や、阿南市が県南部の避難拠点にならねばならないと話しました。

学生たちの発表を聞き終えた阿南高専の多田准教授は、最後にこう述べました。

(阿南高専創造技術工学科 多田豊 准教授)
「こういった行政では、なかなか出しにくいことでも、今話し合っておかなければいけないと思うんです。なので、こういうことを毎年度重ねながら、阿南が実際に災害が起こったときに、どんな風な街に次変わっていけるのかということを考えていきたいですし、それが減災につながっていくのが、目標だと思っています」

(参加者(市民))
「地元以外の方の意見はとても参考になりました。特に学生さんの視点というのが、若い視点というのが、自分でもハッとさせられました。大人なら最初からそれは無理じゃないかという所から入ってしまう所があるのを、全然違うアイデアを膨らませてしているという所が、とても印象に残った」

(阿南高専生)
「学生の立場から未来の案を出す。わたしたちじゃないとできないことではないかと感じました」

シンポジウムの参加者らは今後も阿南市を中心とした事前復興について話し合いを続け、意識を高めていきたいとしています。
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