【これも二刀流!?】野球歴60年 81歳の現役ピッチャー 元気の源に迫る
今年9月の「敬老の日」。熊本市の水前寺野球場で、70歳以上のお年寄りのチームと小学生チームの交流戦が行われました。
この試合でひと際注目を集めたのが…。
リリーフ登板したチーム最年長のサウスポー、原口貞信さん、御年81歳。
大きく振りかぶり、スナップのきいたボールを投げ込みます。一塁への牽制もお手の物。
■原口貞信さん(81)
「私たちも、いつまでも子どもと同じような気持ちで野球をしたい」
81歳で、なぜこれだけの投球ができるのでしょうか。
原口さんの自宅を訪ねました。1日の始まりは愛犬ハナとの散歩です。
■原口貞信さん(81)
「胸を張るほどじゃないけど、まっすぐして歩く」
姿勢を意識しながら約1キロ、毎朝20分かけて歩き、体力づくりに努めています。
■原口貞信さん(81)
「普段から歩いて、足を鍛えておかないといかんからですね。少しずつでも運動をするということが大切になると思います」
日々の食事を考えるのは、昔、高校で家庭科を教えていた妻の律子さんです。
■妻の律子さん
「朝ご飯では、味噌汁にたくさんの種類を入れます。豆腐は毎日入ります。野菜はいろいろ入れて、5、6種類は必ず入っています。夕ご飯の時はだいたい毎日、肉にしたら翌日は魚、交互に基本的にはメインを変えてます」
■原口貞信さん(81)
「ただ僕は黙々と食べるだけ」
原口さんが本格的に野球を始めたのは約60年前。小学校教諭として部活の指導にあたったのがきっかけでした。
■原口貞信さん(81)
「毎日ずっとバッティングピッチャーをしてやってね。練習の日はいつも200球くらい投げていました。球を放す感覚は身についているから、コントロールだけは自信があります」
部活の指導に加え、地域のチームでは選手として長年プレー。今でも軟式野球とソフトボールのチームに所属し、練習に参加しています。
週に2回 バドミントンもプレー
さらに。
♪体育館の鍵を開けに行く
参加するのは、野球だけではありません。この日訪れたのは、自宅近くの体育館。
実はバドミントンも60年近く続けているのです。相手のショットに素早い反応を見せ、野球にも通ずる腕の振りで、鋭いショットを返します。もちろん、このチームでも最年長です。
■バドミントン仲間の市原秀喜さん
「お元気な証拠で、とても80代とは考えられないです」
■バドミントン仲間の井上志保さん
「左利きなので、なかなか取りにくい所にくるんですよ。しまったって、やられてばかりです」
1週間のうち、平日は3つのチームで練習し、土日は試合に出場することも。
(月曜…夜バドミントン、水曜…午前 軟式野球・夜バドミントン、金曜…午前 ソフトボール)
この日は、試合形式も含めて約2時間の練習でしたが…。
■原口貞信さん(81)
「疲れちゃおらん。全然きつくはないです」
■原口さん流の「ケンコーのはじめ方」とは。
■原口貞信さん(81)
「試合する時は、勝ちたい気持ちもあるけれども、それを楽しむ方が大きいと思います。その楽しさが、みんなが少しずつでも共有できれば一番いいかなと思って。みんなには迷惑かもしれんけども、みんなが携わらせてくれるだけで感謝しています」
81歳の現役サウスポー。「競技を楽しむ」ことが何よりの原動力となっています。