【違憲判決】「自分たちだけでなく全ての人に結婚の自由を」 熊本の原告カップルの思い
同性婚が認められていないのは憲法に違反するとして、熊本市の同性カップルらが国を訴えた裁判で、2審の福岡高裁は13日、憲法違反という判断を示しました。判決の後、法廷で笑顔と涙を見せた熊本の原告2人。自分たちだけでなく全ての人の結婚の自由を求めて裁判を闘ってきました。
男性カップルのこうぞうさんと、ゆうたさん。熊本市内で一緒に暮らしています。
■こうぞうさん
「もし、ゆうたじゃなくて別のゲイの人だったらと思うと 同じような家族ぐるみの生活は送れていない感じがするので、自分らしく今が一番いられると感じるのかな…」
出会って22年の2人。自然に「結婚」を意識するようになりました。しかし、今の日本の法律では、同性どうしの結婚は認められていません。市役所に出した婚姻届けは受理されませんでした。
地方自治体の中には、同性カップルをパートナーとして認める宣誓制度を導入しているところもあります。しかし、制度に法的な効力はなく、相続や税の控除など婚姻と同じ社会保障を受けることはできません。
■こうぞうさん
「事故や病気で片方の意識がない時に、家族として病院で扱ってもらえない場合がある」
法律上は他人のまま。
■こうぞうさん
「法律婚ができる、僕らは家族なんですと言えるのは、とてもまぶしいし、手が届かないものなんだと思う」
そして高裁判決の日。
■藤木紫苑記者
「判決の後、法廷は大きな拍手に包まれ、こうぞうさんはすすり泣きながら涙をハンカチで拭い、笑顔のゆうたさんと顔を見合わせました」
これまでの判決よりも踏み込んだ判断を示した福岡高裁。ただ、司法の判断が出ても、法制度が整うわけではありません。
■熊本市在住の原告 こうぞうさん
「最高裁の判決を待たずとも、(法整備は)立法府の仕事にできるはずです。いつまで(法整備に動くことなく)注視されるのかということを、しっかりと伝えていきたいと思っています」
■熊本市在住の原告 ゆうたさん
「なんで幸せになれる人を幸せにしないで放置しておくのかなという疑問が、やっぱり私の中にはずっとあるので、いち早く多くの人が幸せになる世界になることを祈っているところです」