「可視化されない多くの人生が存在」同性婚認めないのは違憲状態 1審判決の控訴審福岡で始まる
同性カップルの結婚を認めないのは憲法違反として国を訴えた、いわゆる「同性婚訴訟」の控訴審が19日に福岡高裁で始まりました。
この裁判は、国が同性婚を認めないのは法の下の平等などを保障する憲法に違反するとして全国各地で同性カップルが損害賠償を求めているものです。1審の福岡地裁は去年6月、同性どうしで結婚できる法制度がないことは「違憲状態にある」との判決を言い渡していました。
19日に福岡高裁で開かれた2審の1回目の弁論で熊本市在住のカップルがそれぞれ、法廷で意見を述べました。
こうぞうさんは「訴訟は原告だけのものでなく僕らの後ろには可視化されていない多くの人生が存在している」と裁判官に訴えました。
そしてゆうたさんは、「法制化をしない言い訳に社会的な理解を持ち出すのにはもはや無理がある」と国会を動かすための司法判断を促しました。
■こうぞうさん
「等身大の人間の姿がみえる言葉を僕らは届けていかないとといけないと自分の中で考えて意見陳述を考えました。改めて言葉にしたり人に思いをのせて伝えるのは非常にしんどい部分もあるなと無意識にこみ上げてくる涙から思いました」
■ゆうたさん
「ニュースで取り上げられなくなったなという実感があります。直接関係ない人には忘れられてしまう、埋もれてしまう。ただ問題はこれは人権問題、人生の問題だと思っているので皆さんの心に常にあってほしいと思っています」
同様の訴訟をめぐっては、全国初となる控訴審判決が3月14日に札幌高裁で言い渡されます。