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「ストレスたまった先生 待遇改善を」中学1年生が訴えた教育の問題点 熊本県の政策に反映

2025年2月27日 19:12
「ストレスたまった先生 待遇改善を」中学1年生が訴えた教育の問題点 熊本県の政策に反映
「先生になりたくない」願う改善
教育の問題点について熊本の中学生の訴えが県に届き、政策に反映されることになりました。

2月17日、私たちが訪ねたのは熊本市の中学1年生、白土凜香さんです。凜香さんは美術部に所属するかたわら、バレエに熱中する13歳です。そんな凜香さんが「教育の問題点」を真剣に伝えた一幕がありました。

去年10月、熊本県が開いた「こども未来創造会議」。子どもや若者が輝き、家庭や子育てに夢を持てる「こどもまんなか熊本」を目指す一環で、中高生の生の声を聞く場です。

この会議で凜香さんは次のように発言しました。
■白土凜香さん
「ストレスがたまっていらっしゃる先生がいたので、教員をもうちょっと増やしてほしい」

学校の先生についての改善点を述べたのです。きっかけは小学校の時に、担任が体調不良で立て続けに変わった経験です。休む教員をカバーするために、業務量が増える姿を目の当たりにしました。

■白土凜香さん
「先生も忙しいからか、雰囲気がピリついていて。クラスの雰囲気もそこまで良くなくて、教員の先生が増えれば、学校全体を回すことだけじゃなくて、教育の環境にも気を使えるんじゃないか」

教員の「心の余裕」がなくなっている…。なり手不足が招く現状が見えていました。全国的に深刻な、教員不足。熊本市は、去年初めて学校の教員の追加募集を行いましたが、応募者が目標を大きく下回り、2次募集する事態に。

■白土凜香さん
「私たちの世代の人は、小・中学校の先生になりたくないって言うんですよ。業務も厳しいし、大変そうだから なりたくない人が多いと思うので、雇う待遇を改善してほしい」

家族は凜香さんの思いをどう受け止めたのでしょうか。

■父・英樹さん
「自分が中学生くらいの時を考えると、先生のことを心配したことは全くなかったので、物事をよく見て考えているなと」

■母・真澄さん
「子どもたちの意見って意外と芯をついている所があるので、そういう意見を取り上げて、政策にいかしていただけるのはありがたいと思います」

「政策にいかす」とは、どういうことかというと…。

■熊本県 木村敬知事(今年2月の定例記者会見)
「先生をサポートする教員業務支援員を、全ての公立の小中学校、高校、特別支援学校合計412校に全校に1名配置する」

教員業務支援員とは、行事や式典、小テストの採点など、教員の事務作業を多岐にわたりサポートする人のことです。教員の負担を減らし、子どもと向き合う時間を確保するためのもので、凜香さんの要望も政策に反映される形となりました。

■熊本県子ども未来課 竹中良課長
「(意見を聞くのは)非常に有益なものだったと思っているので、今後もこれで終わりではなく、新年度も生の声をしっかりと伺いながら、次なる政策にいかしていきたい」

熊本県は2月、「こどもまんなか熊本」の実現計画を策定。中高生や子育てをする親など256人、566件の意見を検討したといいます。子どもや、支える大人が生き生きと過ごすために。熊本が、新たなスタートラインに立ちました。

■白土凜香さん
「(政策に)反映されたら、より良い授業環境ができて、先生の負担も少なくなって、良い教育ができるんじゃないかなと思う」

最終更新日:2025年2月27日 22:02
熊本県民テレビのニュース