授業に潜入…インテリア科、なぜ志願倍率で宮城県1位に?「本当に驚いています」高校入試
3月に控えた公立高校の試験に向けて、1月に発表されたのが「志願倍率」。
なかでも、今回の調査結果の中で ダントツ1位となったのが、宮城県工業高校インテリア科だ。
どのような魅力が、高校生をひきつけるのかー。
そして、まもなくになった「本出願」に向けて、今回の調査結果をどのように活用すればいいのか、取材した。
創立から112年、仙台市青葉区米ケ袋の宮城県工業高校。
森尾アナウンサーリポート
「機械加工実習室には、大きな機械が置かれていて、木材を使った授業が行われています」
実習室にいたのは、インテリア科の2年生。
この日は、自分たちで木材を加工し、椅子をつくる授業。
インテリアの生徒
「やっぱり素材を肌で感じながら、好きなものを組み立てられるというのがあるので、そういうところが好きです」
高校で「インテリア」という名がつく学科は、東北で唯一。
設計からデッサン、色彩まで幅広く学べるほか、2級建築士などの受験資格を得ることができるのが特徴で、卒業後は進学と就職が半分ずつだという。
インテリア科の生徒
「進路は就職します。家の設計図の柱の部分をパソコンで書いたりする仕事です」
「私は、小学校からものづくり工作とか好きで、進路を決めているのは専門学校。私が行く専門学校は、建築デザインっていう学校」
今回、もっとも高い志願倍率となったことについて学校側はー。
宮城県工業高校・鈴木達也教頭
「うれしい反面驚いているのが、率直な感想ですね。例年高いのはキープしていたんですけれども、2倍を超えたのには本当に驚いています」
高校で行う学校説明会だけでなく、中学校に出向いて”出前授業”を行ってきたことなどが、志願倍率が県内1位になった要因の1つとみている。
志願倍率を発表した宮城県教委によると、ことしはインテリア科や情報技術科など工業の学科が比較的高い倍率となる傾向がみられた。
今後、最終的に志望校を決めるための1つの目安となる「志願倍率」。
受験生はどのように受け止めればいいのか、専門家に聞いた。
ベネッセコーポレーション・進研ゼミ高校受験総合情報センター長 浅野剛さん
「私がよく説明しているのは”(倍率とは)混雑の度合い”と申し上げています。いい悪いではなく、どのくらいの人が集まってきて混みあっているのか。(倍率は)色んな要因が絡まっていますので、結局そうなってくると、最後 自分がどうしたいのか」
浅野さんによると、倍率は混雑具合を表すもので、難易度自体が大きく変わることはない反面、受験者が多いからこそ合否のボーダーラインは競争が厳しくなると言う。
だからこそ、今回の志願倍率の結果を受けて「どうしてその学校を選ぶのか」を、改めて考えるきっかけにしてほしいと話す。
ベネッセコーポレーション・進研ゼミ高校受験総合情報センター長 浅野剛さん
「自分が一番こだわっているポイントって何なんだろうというところを、追求していく。そういうチャンスが、今回の調査結果に1つあるんだという風に捉えるのがいいと思う」
試験まであと1か月。
宮城県の公立高校入試の「本出願」は2月10日月曜日からだ。