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オイルまみれの青春!手作りバギーで日本一目指す「松工高自動車部」運命の決戦

2025年1月10日 18:00
オイルまみれの青春!手作りバギーで日本一目指す「松工高自動車部」運命の決戦

手作りバギーで日本一を目指す愛媛の高校生がいます。ドライバーは、マシンを愛してやまない部長に、部で初めての女性ドライバー。自動車部、運命の全国大会に密着です。

大会まで1か月を切った11月末。この日、期末テストが終わったばかりの松山工業高校自動車部です。全国大会には2台体制で挑む松工自動車部。この日は、そのうちの1台、10年近く使い続けているセカンドマシンのエンジンの分解整備を進めていました。

山内寛太部長:
「今入っているピストンが僕らが来る何年も前から使っているピストンなんで結構出力が低下している。新しく入れ替えてリフレッシュしてあげたい」

手作りの車体フレームに50ccのエンジンを積む「ゼロハンカー」。エンジンの出力はノーマル状態だとわずか3.7馬力です。

山内部長:
「新品の状態を10としたら、今出てるパワー的には7あるかないかぐらい」

メカニック(エンジン担当):
山田倫太郎さん「軽くでいい?」
山内部長:
「軽くでいい」

山内部長:
「スロットル(アクセル)開けたときのレスポンスがすごく良くなった」

マシンを愛してやまない部長&松工初の女性ドライバー!

2台のバギーのドライバーは!このバギーに憧れて松山工業に進学した、2年の山内寛太部長。

そして1年生ながら、去年の夏、限られた燃料で何キロ走行できるかを競う“エコラン”の大会で優勝した松工初の女性ドライバー門田真愛來さん。

松工自動車部 宮岡欣一郎顧問:
「度胸が据わっているので、男子生徒よりいくところはきちんとアクセル踏めるし、ハンドルの切り方がとても正確」

大会まで6日と迫り、再び学校を訪ねると…

山内部長:
「カッコよくなったでしょ」

エースマシンは、フレームがオレンジに塗り替えられ、巨大な銀色のパイプが新たに装着されていました。

山内部長:
「冷たい空気の方が密度が高くてパワーが出る。それで冷たい空気を吸えるように、走行風をここから取り込んでキャブレターの位置に風を送り込む装置を今回作った。(見た目も)インパクトがあっていい感じ」

(走行を終えて)「多分MAC(松工自動車部)史上イチの完成度」

いよいよ全国大会!30校が参戦

全国大会には北は栃木から、南は鹿児島まで30校、72台のマシンが集結しました。大会は、100メートルのタイムを競う一次予選、レース形式の二次予選、敗者復活戦、三次予選を勝ち進んだ、上位10台が決勝の24分間耐久レースで優勝を争います。

コース2周で競う二次予選。女性ドライバー 1年の門田さん。初出場ながら、スタートで2番手につけると、そのまま順位をキープし見事三次予選進出を決めました!

門田真愛來さん:
「なんとか…危なかった。練習のときとか結構曲がり切れないときの方が多かったので(アクセルを)緩めちゃった。一緒スピンして終わるのも嫌だったので。抜かし切れなくてちょっと残念」

妹・珠莉愛さん:
Qお姉ちゃんの走りどうだった?
「良かった」

一方、エースマシンのドライバー山内部長。抜群のスタートを切り、トップで1コーナーをクリア!ところが突然スローダウン…

山内部長:
「マウントした。マウントがいった」

エンジンのパワーをタイヤに伝えるチェーンが外れ、走行不能に…敗者復活戦で三次予選進出を狙います。

山内部長:
「辛い。ちょっと…なかなか。いきなりだったんで」

敗者復活戦までの時間は20分ほど。限られた時間でマシンを修復。緊急時の対応力が問われます。

山内部長:
「あ、出た出た(エンジンが)前に出た。まっすぐにして八幡君まっすぐに」

(調整を終えて)「分かりました。これで挑みます」

ギリギリ、出走時間に間に合いました!全長およそ600メートルのコース、わずか1周で勝負が決まる敗者復活戦。もう後はありません。

山内部長、2位以下を寄せ付けない圧倒的な走りでフィニッシュ。

山内部長:
「勝った。何とか戻れました」

決勝進出をかけた運命の3次予選!結果は…

いよいよ、決勝進出をかけた運命の三次予選。あわせて48台から上位10台が決勝に進めます。山内部長、2位で1コーナーに飛び込み、そのままトップに並びかけますが…

最下位に落ちてしまった山内部長、何とか1台抜き返しますが、先頭に追い付くことはできず。ここで敗退が決まりました。

山内部長:
「俺から行っとるわ。これは…ダメだ」

続いては門田ドライバーのレース。

宮岡欣一郎顧問:
「真愛來が頑張ったらあいつらも報われるかもしれん。いつも通りでいける」

山内部長ら、メンバーの想いも乗せて…今スタートしました。

門田ドライバーのセカンドマシンも3着と、決勝進出ならず。

山内部長:
「また来年やな…来年また来よう」

松山工業自動車部の戦いはここで幕を閉じました。

「今度こそ全国制覇を」次の大会を見据えて

年が明け、松山工業自動車部、2025年の活動が始まりました。新年最初の作業は大会を戦ったマシンの洗車。

山内部長:
「僕たちが勝負できたのはこのマシンのおかげなので。感謝。ねぎらいの気持ち」

土にまみれたマシンを磨く部員たちの瞳は、次回の大会を見据えています。

門田さん:
「(大会は)楽しかった。何も分からないまま入部して本当に一からやってきた。この経験を活かして、さらにうまくなれたらもっと上を目指せると思う」

山内部長:
「今の2年生のメンバーで挑むのはラストのゼロハンカー大会。負けたままじゃいられない。今度こそ、全国制覇。とにかくオイルまみれな1年にしたい」

最終更新日:2025年1月10日 20:27
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