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自然と調和する“鉄のある暮らし” 全国から注文の“薪ストーブ”も!鉄のスペシャリストが生みだす作品の魅力とは?

2024年4月25日 18:30
自然と調和する“鉄のある暮らし” 全国から注文の“薪ストーブ”も!鉄のスペシャリストが生みだす作品の魅力とは?

今月20日に始まったアーティスト「ツヨニー」の作品展。会場を埋め尽くす作品は全て同じ素材で作られています。山あいの集落での暮らしの中から生まれたその作品の魅力とは?

松山市内の生活雑貨の店で、とある個展の設営が行われていました。 

西山毅さん:
「いいですね。見えるか見えんかのぐらいの微妙な感じが」

店の外には不思議なオブジェが…。

個展を開く「ツヨニー」こと西山毅さんです。

「現場の空間を見ながらこれをどこに置こうかあれをどこに置こうか、ワクワクしながら設置します。このブランコは、大人でも(乗れます)。ふたり乗っても大丈夫です」

今月20日から開催している「ツヨニー博覧会 鉄でこさえる」

所狭しと並ぶ作品は…
「ほぼ99%鉄で(作っている)」

「普通じゃ面白くない」国家資格を持つ鉄のスペシャリストの遊び心

「ツヨニー」は三重県出身の63歳。国家資格である鉄工1級技能士の資格を持つ鉄のスペシャリストです。30代半ばで移住した愛媛で鉄工芸に出会い、現在は高知県の黒潮町を拠点に作品の制作を続けています。

ツヨニー:「普通の時計じゃ面白くないから時間を逆戻りさせたり」
お客さん:「普通じゃ面白くないってところがキモ?」
ツヨニー:「そうなのよ」

ツヨニー:
「これは全部僕の分身なんですよ いろいろな人格のツヨニーの分身です」

小さいオブジェたちは「コツヨニー」と命名。

「左は正座をしすぎて足が痺れて歩けなくなった感じ。隣は身軽になって羽ばたいてる 空を飛びたいなと思っているコツヨニー」

ツヨニー:
「ただこうやって遊ぶものです」

会場には鉄で作ったツヨニーの作品およそ100点が展示されていて、気に入った作品を購入することもできます。

ツヨニー作品の代名詞は「オーブン機能付きの薪ストーブ」

ツヨニー:
「高知に移住してからのツヨニーの代名詞みたいな作品です」

調理もできるオーブン機能付きの薪ストーブ「ツヨニーストーブ DAX」。

「この形にたどり着くのに5年くらい。最初は全然燃えずにスクラップになったり、10何台作ってやっとこの形にたどり着きました。台所に置いてて毎日のように使ってます」

CH4スタッフは、鉄作品が溶け込んでいるというツヨニーの日常に触れてみたいと、高知県黒潮町を訪ねました。山間の集落にぽつんと佇む一軒家が、ツヨニーの自宅兼工房です。

ツヨニー:
「なんでこっちに来たかというと、子供を自然がいっぱいある所で育てたいなと思って」

小学4年生の種ちゃんと2年生の実くん。家の門には2人の名前。これももちろんツヨニー作。

「こちらが工房です。ほぼ仕上げ作業が終わってこれから出荷する段取りです」

全国から注文があるというオーブン付き薪ストーブは、ツヨニーの日常から生まれました。

「ここに移り住んで環境のことを抜きに語れないって感じで、電気ガスをなるべく使わないように生活しようとか。生活スタイルが一変して必要になって作った。最初は商品化しようと思ってなかったが、デザインもええから商品にしたらという声がいっぱいあって」

荒れ地を開墾し田んぼや畑を作り、調理する野菜などもできる限り自分たちで栽培しています。

“不便さ”の先に見出す豊かな暮らし

台所をのぞいてみると…
妻・西山めぐみさん:
「フキを炒め煮にしていますさっき取ってきて子供たちと下処理して」
ツヨニー:
「薪の置き方で全然火力が変わってくるので」

めぐみさん:
「薪ストーブの薪でするといきなり火が入らないので、素材に対して優しい気がします。お湯もガスだと水が暴れる感じがするけど、これで沸かすお湯は柔らかい」

Qお母さんのご飯はおいしい?
子供たち:「はい。なんでもおいしい」「全部」

ピザ作りが始まりました。ピザ生地は自家製酵母を使っています。

火加減を調整して焼き具合を見ながら…およそ5分で自家製ピザが出来上がりました。

こどもたち:
「おいしい、おいしい」

調理ができるのは薪ストーブだけではありません。ツヨニー最新作、防災炊飯器「かまどん」。

ツヨニー:
「(ライフラインが止まった時に)紙やったらそこらへんにあるやろみたいなことになって。じゃあ、紙でご飯が炊けたらいいやんって作ったのがきっかけ」

燃料は新聞が1部=7枚~8枚あれば。およそ15分でご飯が炊きあがります。

ツヨニー:
「ひとつひとつ不便さをクリアしていくとすごい充実感があって、想像しなかった世界がここに来てどんどん生まれています」

自然に囲まれたツヨニーの日常の中から生まれた様々な鉄の作品。

ツヨニー:
「鉄は熱を加えたらどんな形にでもなってくれるので、そういうところが好きです」

ツヨニー博覧会は今月29日まで開かれています。

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