酪農家直営のミルク園も再開!「四国カルスト」に待ちわびた春…大野ヶ原でしか咲かない花“コスモ”とは
標高1200メートル、長い冬が終わって待望の季節を迎えたカルスト高原、春の1日です。
おとといの日曜。原生林を走る細い道を抜けてチャン4スタッフが向かったのは、一面の草原が広がる山間の集落です。
ここは愛媛県西予市野村町、標高およそ1200メートルの大野ヶ原。平地よりも少し遅れて、春を迎えていました。
大阪からの観光客:
「四国カルストを見に行こうと思って。壮大な感じですごく気持ちいい」
京都からの観光客:
母「カルスト行ってみたいなって(娘が)免許取ったんで。空に近いっていうか、空気もええし癒される」
娘「さえぎるもののない大自然がすごくいいなと」
母「ええお天気やしね」
酪農家さん直営の「ミルク園」が通常営業を再開
春。大野ヶ原に少しずつ、観光に訪れる人の姿が戻ってきました。
ミルク園 山本 真弓さん:
Q.看板きれいになった?
「4月3日のすごい風の時に突風が吹いて(落ちた)。「早くして」って頼んで、1週間でやってくれました。きのう(新しく)設置した」
酪農家さんの直営店!今月、通常営業を再開した「ミルク園」。お母さんが作る自家製ミルクを使ったソフトクリームは、8段巻きが普通サイズ!これでお値段、400円です。
山本さん:
Q.お客さんがひっきりなし?
「そうですね、きょうはまだ(シーズン)はじめなので少しずつですけど」
Q.(春は)待ち遠しい?
「そうですよね、だって冬の間なんちゃすることがないというか、寒いのと水の凍ることとかそういうのを心配する。去年はマイナス12度まで(下がった)。昼間でも」
厳しい冬に耐え、迎えた春。山本さんのお宅にも、うれしいニュースがあったそうで…
山本さん:
「今年で1年生です。3人今年は(大野ヶ原小に)入学しました」
孫娘の優笑(ゆら)ちゃん。この春、大野ヶ原小学校に入学しました!
優笑ちゃん(小1):
Q.小学校はどうですか?「楽しい」
山本さん:
「大野ヶ原の春はすごくいい、気持ちがいい。でも、あれもしなくてはならない、これもしなければならない。ようやっとこれから忙しくなるかな」
期待に胸膨らませる春です。
世界でここにしか咲かない花
花き農家 有間孝明さん:
「“ミヤマカタバミ”っていう花が、ここに(大野ヶ原に)自生してます(花は)癒されるし好きですね。山野草も好きやけど、チューリップとかも大好き」
Q.春はいい季節ですね?
「そうですね、花も多いし一番いい季節だと思います」
酪農とともに、花の栽培が盛んな大野ヶ原。花が大好きという有間 孝明さんは、花き農家だった父のあとを継いで、20年ほど前からこの地でデルフィニウムを育てています。
有間さん:
Q.すぐ横に支柱がありますけど、それ位伸びる?
「そうですね、ここらへんまで伸びます。この辺まで伸びてきて、こっからここまでが花になる。元々愛媛県だけにしかなくて、愛媛県っていうか、うちにだけしかないんですけど」
それがこの花、6月に出荷が始まる「コスモ」です。
有間さん:
「花の流行があって、この花(コスモ)は売れないだろうということで残す候補にはしてなかったが、かわいいので父が自分のところで残したいと」
品種改良で生まれたデルフィニウム、コスモ。開発当時は人気が出ず、栽培する人もいなくなる中、有間さんのお父さんだけが苗を保管。いまでは有間さんだけが栽培する、“世界にここだけの花”となったのです。
有間さん:
「結構市場のほうからも引き合いが強くてありがたい」
冷涼な気候を好むデルフィニウムですが、出荷に向けての作業はこれからが本番。有間さん、寸暇を惜しんで花のお世話を続けます。
「大体4月から(出荷が終わる)11月までは暇はないくらいです。やっぱり一番最初の花が咲くまでが一番プレッシャーがかかる。1回咲き始めたら「よかった、咲いてくれた」ってあとは淡々と作業をこなすんですけど、それまではちょっと心配ですね、毎年」
有間さんの忙しい1年がことしも始まりました。