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震度1以上70回超 震度6弱地震からまもなく1か月 防災を考える①「“本当に”活躍する防災バッグとは」

2024年5月10日 20:00
震度1以上70回超 震度6弱地震からまもなく1か月 防災を考える①「“本当に”活躍する防災バッグとは」
本当に役立つ防災バッグ準備術

4月17日、愛媛県内で最大震度6弱の地震が発生してから間もなく1か月。南予を中心に豊後水道を震源とする震度1以上の地震は76回発生しています。(5月10日午後3時現在)

地震直後、あまりの揺れの大きさに、“避難するか?” “すぐ持ち出せるように防災バッグの準備を!っと、あれどこに置いてたっけ?”など、いざという時の行動を改めて確認した方もいたのではないでしょうか。その時、準備していた防災バッグを確認すると…本当に使えるバッグになっていたか。恥ずかしながら、私の答えは「No」でした。

“本当に”役立つ防災バッグとはー

(オピニオン室 清家夕貴)

「主人は抱っこ担当」ママ防災士の極意

地震後、松山市内に住む石井けいこさんを訪ねました。石井さんは中学1年生の長男、小学5年生の次男、4歳の長女の3児の母。「こまめハウス+」の代表としてベビーマッサージや知育教室などを開く傍ら、防災士として「子育て世代」の防災術についてインスタグラムなどで発信しています。

「主人の防災バッグはありません」

5人家族の石井家、防災バッグを紹介し始めた直後、石井さんから衝撃の言葉が飛び出しました。

石井さんは、「避難する時に4歳の長女がいつもと違う周りの状況に、もしかしたら歩けなくなるかもしれない。そうなった時をイメージして、主人には抱っこ担当になってもらうんです」とのこと。石井家では家族5人分を4つのリュックに入れて準備をしているといいます。どこか型にはまりがちな防災グッズの準備が、家族構成にあわせて自由にカスタマイズして良いんだ、と肩の力が抜けた瞬間でした。

「非日常」をいかに「日常」に取り入れるか

「防災バッグって準備して満足なんですよね。実際に使おうと思ってみてみたら、いつ入れたか分からない賞味期限が切れたカンパンやカピカピになったお手拭きが入っていたりという話をよく耳にします」

図星でした。

今回の地震直後、我が家の防災バッグには、賞味期限が切れてしまっている缶詰や幼児用のお菓子、息子のオムツはサイズが1サイズ小さいのが入ったまま…

非常食は何年も長持ちするし大丈夫だろう、と思い込み定期的な確認を怠ってしまいがちになります。

石井さんは、「防災グッズは“非常時”に使うもの、ではなく、普段私たちが“日常”で使っているものと併用する、ローリングストックがポイント」だと話します。

普段の食品を少し多めに買い置きし、賞味期限が近くなったものから消費してその分だけ新しく買い足すローリングストックですが、意外とこれも忘れがちになりますよね。

そこで、石井さんは、バッグの中身を定期的に確認できる、あるルールを取り入れているといいます。

①「パンの定期便の活用」
賞味期限が1~2か月ほどのパンを1か月に1回定期便で購入。届いたら、備えておいたパンと入れ替えて、入れ替えたパンを朝食やおやつなど日常の食事に取り入れる!

②「こどもの防災バッグは遠足バッグを使用!」
遠足は3~4か月に1回のペースで行われることが多く、遠足の準備の際に入れ替えが必要になるため、自然とバッグの中身をチェックすることができるほか、食料品だけでなく服なども季節に合わせた入れ替えが可能に!

スーパーアイテムは…グミ!工夫一つで…

1人あたり約3日分の食品や水、簡易トイレに衣服やタオル、また携帯電話のモバイルバッテリーなど、避難生活で必要不可欠なものを準備する一方で、石井さん、入れるものの工夫一つで避難生活に対する向き合い方が変わるといいます。

お菓子を選ぶ際には、作って食べる知育菓子などを入れておく。作るなどの作業があることで子ども達にとっては避難生活の時間つぶしや楽しい気持ちになれるアイテムに。また、グミなどは唾液が出やすくなるため口の中をキレイにしてくれたり、咀嚼することでストレスを軽減したりするということです。

食料品だけでなく、今は読んでいないけど好きな子どもの本やおもちゃ、大人にとっても、例えば保湿パックや大好きな俳優さんの写真!など、自分にとっての落ち着くアイテムを入れておくことが心の安心材料になります。

日常生活の中に、自然と確認できる作業を取り入れ、無理なくローリングストックをすること。そして準備するものは、自分の生活にあわせてカスタマイズすることで、いざという時に“命”と“心”を守ってくれるバッグになるはずです。

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