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肢体不自由の女子高生が“小さな相棒”と接客に挑戦!社会とつながる「分身ロボット」の可能性

2024年3月11日 19:30
肢体不自由の女子高生が“小さな相棒”と接客に挑戦!社会とつながる「分身ロボット」の可能性

春は卒業のシーズンですが、こちらは全国の特別支援学校高等部の生徒の進路状況です。

手足が不自由な肢体不自由の方の就職率が極めて低く、施設への入所率が高くなっています。こうした現状を打ち破ろうと、ある“ロボット”が愛媛県内に登場。

ロボット店員だらけのカフェに潜入です。

今月2日、松山市で開かれたのは50年以上続く障害者向けの「親子学習会」

今回のテーマは、障害を克服するための最新技術の体験です。

スタッフと参加者:
「これを追視していくとキラキラと光る。なんだろうと追うやつです」

スタッフ:
「よく動いてるね。見てるね。すごいすごい。そうそう」

不可能が可能になる!?注目の“分身ロボット” とは

この学習会で特に注目を集めていたのが…。

参加者たち:
「かわいいですよね」
「自分でアレンジしたらいい。帽子をかぶせたり」

“分身ロボット”「OriHime(オリヒメ)」です。

竹内特定助教:
「身体障害があって外出が難しい方が在宅で操作をして動かすタイプのロボット。このカメラで映った映像が手持ちのiPadとかに映る」

実はこの「OriHime」、“不可能を可能にする”今、大注目のロボットなんです。

西予市にある宇和特別支援学校高等部1年の兵頭紗弥さんです。好きなアニメは「SPY×FAMILY」。お菓子作りも得意なイマドキの15歳です。

紗弥さんは、脳性まひによる肢体不自由の障害があります。

教頭先生:
「肢体不自由の生徒が働ける選択肢は、この南予では少なく、自由に選びにくいということ。(他者の)サービスを使わないと通えない方もいて、そうするとより選択肢が狭まってしまう」

学校からロボットを遠隔操作!カフェではじめての接客体験

働く場所の選択肢が多くない肢体不自由。そんな中、紗弥さんは、“小さな相棒”とともに未知の挑戦に臨みます。

紗弥さん:
「かわいいですよね、OriHime。私、今これになってるんだと思うとすごい」

分身ロボット「OriHime」になりきって、カフェで働くというのです。

先月、今治・里山サロンに期間限定オープンした「OriHimeカフェ」

県内企業などが主催し、特別支援学校の生徒が遠隔操作ロボット「OriHime」になりきって接客体験をします。

紗弥さん:
「ちょっと緊張してきました」

紗弥さんのOriHimeのテーブルに、お客さんが。

紗弥さん:
「名乗らないといけないですね。自己紹介してもいいですか」
お客さん:
「おねがいします」

紗弥さん:
「私の名前は兵頭さやです。あ、『さやです』か。愛媛県の西予市に住んでいます。宇和町です」

各テーブルにOriHimeは2人。

先輩:
「本日、先輩パイロットとしてさやさんのサポートをさせていただきます」

経験豊富な先輩とコンビを組んで、接客開始です。

紗弥さん:
「イノシシ肉と新鮮なレタス。とろーり玉子をあわせたボリュームたっぷりのタコライス風丼ものです」

マニュアルに沿って順調にメニューを説明していたところ、想定外の注文が。

お客さん:
「飲み物のおすすめなにかありますか?」

突然、「おススメ」を聞かれた紗弥さん。

紗弥さん:
「私のおすすめのドリンクは里山ミックスジュースです。フルーツがたくさん入っていておいしそうだと思います」
お客さん:
「本当ですか。飲んでみようと思います」
紗弥さん:
「ぜひ感想を聞かせてください」

アドリブでうまく対応できたと思ったら…。

お客さん:
「ミックスジュース、バナナ抜きで作れますか?」

今度は「バナナ抜き」のオーダー!

先輩パイロット:
「ミックスジュースのバナナ抜きですか?少々お待ちいただいてもよろしいですか」

すかさず先輩パイロットが助け船を出して、何とか対応できました。

紗弥さん:
「今チャイムの音聞こえてますか?」
お客さん:
「聞こえてますよ。学校のチャイム?」
紗弥さん:
「そうです。いまから5時間目の授業が始まります」

持ち前の明るさとボタン1つで操作できるOriHimeの「動作」を交えながら。お客さんとのひと時が過ぎていきました。

隣のテーブルのOriHimeのパイロットは、「pepeさん」こと、しげのぶ特別支援学校の中田帆乃花さん。横になった状態でも、どんな障害があっても。

お客さん:
「今すごいいい経験をさせてもらってます」
紗弥さん:
「私もです」

この小さなOriHimeを使えば接客ができる、働ける。

紗弥さん:
「きょうはお客様とたくさんお話できてとても楽しかったです」
お客さん:
「こちらこそ楽しかったです。ありがとうございました。また頑張ってね」
紗弥さん:
「お食事ゆっくり楽しんでください」

先生:
「お疲れ様でした」
紗弥さん:
「はぁぁ」
先生:
「ようがんばった」

紗弥さん:
「私、人見知りで、初めて会う方とお話するのが苦手なので、最初は接客の仕事向いてないなと思ったし、今もやっぱり苦手な方かなとは思うんですけど、オリヒメでやってみて、悪くないな、楽しいなと思うようになりました」

紗弥さん、OriHimeになりきりましたか?

「分身にはなってないけど、分身になりそうな気がするくらい。またやる機会があればその時はちゃんと分身になる」

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