まもなく桃の節句 長岡藩主ゆかりのおひなさま展 100年前から伝わるひな人形や道具を展示《新潟》
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博物館の名誉館長であり長岡藩主牧野家17代当主の牧野忠昌さんです。
〈牧野家17代当主 牧野忠昌さん〉
「私の母が牧野家に嫁いできたときに持参したおひなさまです。これで約100年経っておりまして」
館内には、牧野家第16代・忠永氏の妻・元子(はつこ)氏が嫁いだ際に持参したというおひなさまをメインに、江戸時代から昭和初期のひな人形や道具類が約100 点展示されています。
Q)きれいに保存されたひな人形。どのような特徴があるのでしょうか?
〈牧野家17代当主 牧野忠昌さん〉
「宮中で色々な儀式がありますが最高の儀式の時に男性側は束帯を、女性側は十二単を着装することになっています。それを忠実にお人形に仕立てて出来上がったわけです。着装するには高倉流と山科流という二派の流派がございまして、母の実家は高倉と申しますので高倉流の流派を使ってこのおひなさまを仕立てたということです」
Q)何か流派を見分けるポイントはあるのですか?
〈牧野家17代当主 牧野忠昌さん〉
「近く寄っていただければ男雛(おびな)には首の襟のところに白い糸でバッテンがしてあります。女雛(めびな)の方はこの扇の端のところに、“松と梅と橘の実”の3つがくっついているのが高倉流ということになっています。これを総称して高倉雛といいます」
さらに進むと牧野さんの母親が持参したという道具類も展示されていました。中には立ちびなが描かれた掛け軸も……。
〈牧野家17代当主 牧野忠昌さん〉
「掛軸は私の母が娘時代に描いたものなんです」
Q)おひな様の道具の1つなのですか?
〈牧野家17代当主 牧野忠昌さん〉
「そうですね。例えば机がございますね。この横に硯箱があります。それから筆と水差しなどがあって子どもたちが実際に触って親から『このようなことで使うんだよ。将来、実際使うからこのように使いなさいよ』という勉強の道具にもなりました」
約100年もの歴史があるひな人形など、牧野家の貴重な品が展示されている「長岡藩主 牧野家ゆかりのおひなさま展」は3月9日まで展示されます。