【開発】AIが手話と音声→文字に変換 体験会で子どもたちは笑顔 福岡県も実証実験を開始
聴覚に障がいがある人とない人が、円滑にコミュニケーションを取れるソフトの開発が進んでいます。ことしは聴覚障害者のスポーツの祭典「デフリンピック」が日本で初開催されることもあり、手話への理解を深める手段として注目されています。
福岡市早良区の福岡聴覚特別支援学校。聴覚に障がいのある子どもたちが、パソコンに向かって手話で語りかけています。
20日、小学部と中学部に通う51人が体験したのは、AIを使ったコミュニケーションサービス「SureTalk(シュアトーク)」。手話を文字に変換するソフトです。
■照屋芳樹記者
「こちらのソフトを使うと、声と手話で会話ができるようになります。実際に試してみます。好きな食べ物は何ですか。」
■手話で回答
「私はラーメンが好きです。」
■照屋記者
「このように、相手の手話が文字で表示されます。」
AIが人の声と手話を認識し、それぞれ文字として画面に表示します。聞こえる人と聞こえない人が自由にコミュニケーションを取れるよう、通信大手のソフトバンクが開発しています。
福岡県では、このソフトを利用した実証実験が去年12月から始まっていますが、手話の認識にはまだ課題が残っています。
今度は「おはようございます」と手話で伝えていますが、なかなか認識してもらえません。少し動きを変えると、ようやく正しく読み取りました。
ソフトバンクは精度を上げるために、より多くの手話のデータが必要だとしていて、体験会の後にはAIに学習させるための動画撮影も行われました。
■体験した子ども
「手話が文に変わっておもしろかったです。」
「母の携帯で使えるようになったら、ぜひ使ってみたいです。」
■ソフトバンク SureTalk課・齋藤奈央さん
「新鮮な気持ちで体験していただけて、すごくうれしかったです。まだ開発中とお伝えしましたが、子どもたちが大人になったときに便利に使っていただける物にしたいと改めて強く感じました。」
このサービスを使った福岡県の実証実験は、ことし10月末まで行われる予定で、県の担当者は「デフリンピックイヤーのことし、多くの県民に手話への理解を深めてほしい」としています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年2月20日午後5時すぎ放送