長年連れ添った妻へのラブレター「心豊かに歌う 全国ふれあい短歌大会」
全国の高齢者やその介護者が短歌を詠む「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」
この大会では介護や支援を受けている高齢者や、高齢者を支援している家族、施設職員、そして介護や医療を学ぶ学生を対象に「要介護・要支援高齢者の部」と「介護者の部」の2つの部門で作品を募集しています。
昨年の大会には、全国・海外から1884人・3064首の応募がありました。
去年「要介護・要支援高齢者の部」で最優秀賞に選ばれたのは、都城市に住む長倉幸夫さん、98歳です。
長倉さんは、妻・千恵子さんと74年にわたる結婚生活を歩んできましたが、昨年11月に千恵子さんを亡くし、現在は長女の美幸さんと暮らしています。
娘や孫に囲まれての生活を、長倉さんは「ありがたすぎて・・泣き笑いする」と笑顔で話します。
長倉幸夫さんの長年連れ添った「妻へのラブレター」
優しくて真面目な長倉さんが短歌を詠んだのは今回が初めての経験だといいます。
作ったのは妻へ向けて詠んだ歌。
長倉さんの作品は「要介護・要支援高齢者の部」で全国からの応募者1158人の中から最優秀賞に選ばれました。
1926年都城市で生まれた長倉幸夫さんと妻の千恵子さん。
1949年、23歳の時に親同士が決めた縁談で結婚。結婚式当日まで顔を合わせることもなく、互いのことを知らぬまま結婚をしました。
長倉さんは千恵子さんの事を「料理が得意で、家族を支える良き妻だった」と振り返ります。
去年、長倉さんの受賞という思わぬ吉報に、当時入院中だった妻の千恵子さんも心から喜んでいたといいます。
しかし、表彰式を4日後に控えた昨年11月28日、千恵子さんは老衰により息を引き取りました。
最期は眠るように静かに天国へと旅立ちました。
長倉さんが74年間連れ添った妻・千恵子さんのために詠んだ31文字の最初で最後のラブレター。
「親が決め 時代遅れの見合婚 今こそ言おう 好きだよ千恵子」 長倉幸夫
長倉幸夫さん・千恵子さんを囲んだ家族の集合写真
本「老いて歌おう」には、「心豊かに歌う全国ふれあい短歌大会」の応募者すべての作品が掲載されています。
「心豊かに歌う 全国ふれあい短歌大会」今年の表彰式は12月7日(土)
宮崎市民プラザオルブライトホールにて。