【特集】「自分はダメなんだ…」難病女性が直面する“就職の壁” 求められる雇用側の理解 山梨

国内に100万人いるともいわれる難病患者。多くの方が体調の不安と向き合いながら日々の生活を送っています。こうした中、自らの就職活動を通じて難病患者の雇用の厳しさを痛感し、社会の理解向上や現状改善を訴える女性を取材しました。
「まさかこんなに健康な自分が難病になるなんて思いもしなかったし、つらい気持ちでいっぱい」
山梨県の中北地域に住む30代の香奈(仮名)さんです。一見、普通の日常生活を送っているように見えますが…
「右足のしびれがある。手がむくんだりするし、立っているのがつらい」
香奈さんを悩ましているのは、膠原病(こうげんびょう)です。
「大きな病気とかもないし、ケガもないし健康体だった。結婚した後に子どもが生まれてママさんバレーなどに参加したいが、悲しい気持ちになる」
香奈さんは子どもの頃から大好きなバレーボールに打ち込み、県大会での優勝経験もあるほどの選手でした。
そんな彼女の体に異変が起きたのは、去年8月のことです。
「倦怠感。(仕事の)会議の最中にペンを急に放してしまうことがあって、ちょっとおかしいなと思った。生活することも寝ることもつらかった」
病院での精密検査の結果、指定難病の「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」と診断されました。白血球の一部が異常に増加して血管に炎症を起こし、臓器に障害が生じる病気です。
「複雑だった。涙が止まらなくて『なんで自分なの?』と。今後、どう生きていけばいいのか、先行きが分からなくなってしまったというか。自分を恨んだ」
現在は仕事を休み、投薬治療などを行っている香奈さん。実は香奈さんのお母さんも6年ほど前から難病を患っています。
「難病者としてお互いに当事者だから気持ちが分かる。本当に治療費はすごいかかる。(母には)今までサポートしてもらったので自分が働いて、親の治療費にあてたいと思う」