部活動「指導者バンク」開始から1年…見えた課題 地域移行へ“偏り”解消がカギ 山梨

部活動の地域移行を支援しようと、指導者が登録する人材バンクの運用が始まり1年が経ちました。登録した人の数は想定を超える約800人に上る一方、地域や競技の偏りが見られ、地域移行の本格化に向けた課題となっています。
県教育委員会が去年3月に運用を開始したのが、部活動の指導を希望する人が登録する人材バンク「スポカルやまなし」です。教師に代わる部活動の指導者を探す学校側と地域にいる潜在的な指導者とのマッチングを図り、部活動の地域移行を後押しするために導入されました。
県教委によりますと、運用開始から1年余りで「スポカルやまなし」には想定を上回る796人の登録がありました。実際に部活動とのマッチングが実現したのは9件で、のべ22人がすでに現場での指導にあたっています。
県教委保健体育課 花輪孝徳 課長
「(登録者は)他県と比べても知っている限りかなり多い方かなと考えている。それぞれの市町村が欲している指導者を探し出すことにつながる。だからまずは人数を多くしようと考えた」
一方、課題として見えてきたのが、登録された指導者の活動地域や競技の偏りです。
登録者が指導できる競技をみると、サッカーや陸上、バレーなどが多くなっているほか、活動地域は甲府市などの人口密集地に集中しています。今後、部活動の地域移行が各市町村で本格化するまでに、この“格差”の解消が求められます。
県教委保健体育課 花輪孝徳 課長
「次年度以降、(部活動の地域移行が)進んでいった中で市町村のニーズが増えて来た時に、そこをどう埋めていくかが一つの課題かなと思う。仕組みを含めて周知活動や啓もう活動は必要だと思う」
また、「スポカルやまなし」ではスポーツだけでなく文化部の指導者の登録も可能で、県教委は休日練習が多い吹奏楽部などの部活の地域移行にも役立ててほしいとしています。