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自民党裏金事件 混乱まるで「学級崩壊」 選挙にらむ岸田政権 処分の結末は…【バンキシャ!】

2024年4月8日 9:58
自民党裏金事件 混乱まるで「学級崩壊」 選挙にらむ岸田政権 処分の結末は…【バンキシャ!】
自民党の裏金事件をめぐり、39人に処分が下されました。しかし、処分後も混乱が続いていて、収拾は見通せない状態です。異例の事態となっている理由と政権への影響などについて、政治部・自民党担当キャップの前野全範記者が説明します。【バンキシャ!】

 ◇◇◇

(桝)
かなり混乱しているなという印象がありますが、前野さん、どう受け止めていますか?

(前野)
処分後も混乱が続いていて、収拾は見通せない状態です。処分を決める過程は幹部の間での意見対立も表面化し、岸田総理本人が幹部の間を行き来して調整せざるを得ないという異例の事態となりました。ある党幹部は「学級崩壊だ、恥ずかしい」と嘆いています。岸田政権の発足以降、ここまで幹部の足並みが乱れてバラバラになったことはありませんでした。

(桝)
なぜ、ここまで大混乱になってしまったのでしょうか?

(前野)
1つは、裏金をいつ誰が始めて、そしてキックバック再開の真相も解明できないまま、処分だけを急いだということがあります。また、複数の自民党議員が「処分の線引きに政治的な損得や幹部のエゴ、好き嫌いが持ち込まれた」と漏らすなど、不満のマグマがたまっているということもあります。

例えば今回、裏金が5年で500万円未満だった議員は、1年間に3桁にいってないなどの理由で処分を免れましたが、この点については、茂木幹事長が「ポスト岸田や次期総裁選をにらんで、安倍派の中堅・若手議員に恩を売った」との指摘も出ています。

(桝)
とはいえ私たち有権者としては、“課題山積”の日本にあって、とにかくしっかりと舵取りをしてほしいという思いですが、政権運営にも影響がでてきそうでしょうか?

(前野)
岸田政権は元々苦しい状況が続いていたが、総理の側近議員ですら「かつてないピンチだ」と語っています。岸田総理は8日からアメリカ訪問へ出発しますが、帰国直後、今月16日には衆議院の3つの補欠選挙の選挙戦がスタートします。自民党内からはこの補欠選挙で負けると、「岸田おろしが始まる」「政局含みの展開になる」という声が出ています。 

(桝)
岸田総理は自らの責任については「国民や党員に判断してもらう」と発言しています。総選挙をにおわせているということでいいのでしょうか?

(前野)
岸田総理は9月に自民党の総裁任期を迎えますが、今のままでは再選は厳しい状況です。そこで総裁選より前に解散総選挙をおこなって勝利して、総裁選を無風で勝ち抜くことを狙うとみられます。解散の数少ないチャンスとみられるのが、6月の通常国会の会期末。ここに向けて、得意の外交や定額減税で支持率を回復させて、解散を模索することになるとみられます。

(桝)
なるほど。前野記者に詳しく伝えていただきました。

*4月7日放送『真相報道バンキシャ!』より