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首相「新型コロナ対応の基本姿勢」発言

2022年1月11日 10:59
首相「新型コロナ対応の基本姿勢」発言

新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受け、岸田首相は11日午前、3回目のワクチン接種の前倒しなど新たな対策について、「新型コロナ対応の基本姿勢」として発表しました。以下、発言のポイントをまとめました。

        ◇ ◇ ◇

■ワクチン

ワクチンについては、1月、2月に山場を迎える3100万人を対象とする3回目接種の前倒しについて、各都道府県における大規模接種会場の設置や接種場所のさらなる確保などを通じてペースアップを要請いたします。

めどが立った自治体は、市中にある全国900万回分の未使用ワクチンなども活用して、高齢者接種をさらに前倒しいたします。さらに3月以降は、今般追加確保したモデルナ、1800万人分を活用して、一般分についても前倒しをいたします。

国としても、自衛隊による大規模接種会場を設置するなど、自治体の取り組みを後押ししてまいります。

これまでワクチン接種の対象となっていなかった12歳未満の子どもについて、薬事など必要な手続きを経て、希望者に対してできるだけ早くワクチン接種を開始いたします。


■経口薬

メルク社の経口薬は1万5000の医療機関、薬局が登録をし、その約半数に2万人分をお届けしています。作用の仕組みが異なるファイザー社の経口薬についても、月内に購入に関する最終合意をし、2月中できるだけ早く実用化を目指してまいります。


■医療体制

特に感染拡大が著しい沖縄県については、国のリエゾンチームを派遣いたしました。また、要請があれば、12日にもひっ迫している医療現場に自衛隊の看護師を派遣いたします。

その他の都道府県についても、点検結果を12日に公表いたしますが、即応病床数の確保は順調に進んでおります。

さらに、今後の鍵となる在宅宿泊療養に対する地域の医療機関数は全国1.6万、計画をさらに3割上回る体制が準備できました。

感染が想定をさらに超えて急拡大した地域において、病床がひっ迫するような緊急事態になることのないよう、国民に、症状に応じた的確な医療を提供するため、オミクロン株の入退院基準などについて、先進諸国の取り組みも参考にしながら、科学的知見の集約を急ぎ進め、対応を示してまいります。


■学校

学校でも休校時におけるオンライン授業の準備を進めています。入試については、追試・再追試などにより、入試機会を確保するとともに、4月以降の入学を可とするなど、柔軟な対応を要請いたします。


■水際対策

内外のオミクロン株の感染状況の差は明らかであり、水際対策については、人道上、国益上の観点から必要な対応を行いつつ、当面の対応として、2月末まで現在の水際対策の骨格(※記者注:外国人の新規入国を原則停止)を維持します。その上で、今後、オミクロン対策の重点をさらに国内対策へと移していきます。


■オミクロン株について

この3連休中に専門家の皆様との意見交換を含め、協議を続けてまいりました。オミクロン株については、わからないこともまだ多いのですが、専門家の皆様からは、10日、感染力が高い一方、感染者の多くは軽症、無症状であり、重症化率は低い可能性が高いこと、また潜伏期間が短いこと、一方で、高齢者等で急速に感染が広がると重症者が発生する割合が高くなる恐れがあることなどの分析が報告されました。

今後、このオミクロン株の感染力の強さによって、当面、地域によって感染者数が急激に拡大する可能性があります。しかし、重症化率が低い可能性も踏まえ、皆様には過度に恐れることなく、マスク着用、手洗い、3密の回避、アルコール消毒の徹底など、冷静な対応をお願いいたします。

これまでの航空機内での感染の状況を見たときに、冬場での換気の重要性についても、専門家の皆様から指摘があったところです。