藤井財務相（７７）が健康不安を理由に辞任する意向を固め、鳩山首相に直接、伝えていたことが明らかになった。

　藤井氏は体調不良のため去年末から検査入院しているが、５日朝の閣議には出席していた。５日午前と午後、２度にわたって鳩山首相と会談した藤井氏は「長い通常国会をもちこたえる自信がない。乗り切ることのできる態勢を考えてほしい」と述べ、健康不安を理由に辞意を伝えた。これに対して鳩山首相は直接的な言い回しは避けながらも、「子供を産んだのだから大人にしてください」と述べ、来年度予算案の成立まではとどまるよう慰留したという。

　「もともと頑張っていただいていますから、これからも頑張っていただきたいと。当然のこと。慰留という話ではありません」－鳩山首相は５日夕方、記者団に対してこのように述べ、豊富な経験と安定感から起用した藤井氏に財務相を続けてほしいとの考えを示した。しかし、藤井氏の辞意は固いという。