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菅財務相が正式就任、鳩山政権への影響は

2010年1月7日 18:38
菅財務相が正式就任、鳩山政権への影響は

 辞任した藤井前財務相の後任として、菅副総理が7日、正式に就任した。今回の人事で、今後の鳩山政権にはどういう影響があるのか、政治部・青山和弘記者が解説する。

 今回の人事は、政権発足から4か月足らずで鳩山政権が変質してきていることを物語っており、政策や人事を政府に一元化するという方針は有名無実化しつつある。

 一つは、民主党・小沢幹事長の影響力の増大だ。先月、小沢氏が鳩山首相の面前で「予算編成は政治主導になっていない」と厳しく批判したことは政府側に衝撃を与えた。これが、藤井氏の辞意と後任に菅氏を選んだ要因の一つになったことは明らかだ。小沢氏の政府への影響力は確実に強まっている。

 もう一つは、国家戦略室の地盤沈下だ。国家戦略室は、政治主導を掲げる鳩山政権が鳴り物入りで発足させたが、菅氏が担当することでその重みを保ってきた。ところが、仙谷行政刷新相の兼務になったことで格下げ感は否めない。メンバーの一人は「これは戦略室の挫折だ」と嘆いている。国家戦略室が予算を含めた国家のビジョンを主導するという理想は、黄色信号がともっている。

 鳩山首相は7日朝、「(菅副総理は)予算にかかわった方ですから、何ら支障がないということで、十分国会を乗り切れると思います」と述べた。通常国会の予算案審議への悪影響は最小限に抑えた形だが、この人事が鳩山政権の今後のあり方に大きな影響を及ぼすことは必至だ。