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菅首相初の予算委、低姿勢な答弁に終始

2010年8月2日 21:00
菅首相初の予算委、低姿勢な答弁に終始

 国会は2日から衆議院で予算委員会が始まった。就任後初めての本格論戦に臨んだ菅首相だが、参議院で与党が過半数を割り込むねじれ国会の下、低姿勢な答弁に終始した。

 野党のトップバッターとなった自民党・谷垣総裁は、総選挙での民主党マニフェストの実行が難しくなっているとして解散・総選挙を求めた。

 谷垣総裁「マニフェストの構造ですが、これが履行が難しくなってきた。(民主党が)マニフェストで約束された政策の裏付けは、無駄を排除することで9.1兆円を捻出(ねんしゅつ)する財源確保策にあったわけです。解散・総選挙で信を問い直すのみだと私は思いますが」

 菅首相「マニフェストで盛り込んだことの、私の見た目では7割方は少なくとも前に進んでいる。この形で政権運営をした上で、その上であらためて解散なり総選挙で、その場合には政権そのものを選択してもらう選挙になろうと」

 谷垣総裁「私どもも野党ですが、乱暴なこと、無茶なことは国民に支持されると思っていません。党利党略には決して陥らないということをはっきり申し上げたい」

 菅首相「国民の立場を最優先して議論していくことを私も努めたいと思いますので、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います」

 参院選後、初めての党首対決だったが、野党の協力が必要なねじれ国会の下で低姿勢を貫く菅首相を谷垣総裁も攻めきれず、対決色は薄まった。また菅首相にとっては、この段階で首相の資質に疑問符がつけば来月の民主党代表選挙の行方に大きな影響を与えるため、失言を避けようとの思惑も見え隠れした。

 民主党・小沢前幹事長に近い議言たちも委員会での答弁に厳しい目を向けている。小沢氏に近い松木議員は「とにかくねじれ国会になったので、我々も真摯(しんし)に野党の皆さんの話をしっかり聞くことは大切でしょ」と述べた。

 予算委員会は3日も行われる。