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小宮山厚労相が岩手・釜石市を視察

2012年1月19日 22:27
小宮山厚労相が岩手・釜石市を視察

 小宮山洋子厚労相が19日、東日本大震災の被災地の雇用状況と課題を把握するため、岩手・釜石市を視察した。

 最初にハローワーク釜石を訪れた小宮山厚労相は、水産加工会社で働いていた人ら被災した5人の求職者と意見交換し、「雇用創出と就労支援に取り組んでいるが、なかなか一人一人につながるところまでいっていない」と視察の趣旨を説明した。5人の求職者からは「求人は2、3か月の短期間の雇用だけで、長期間働きたい」「雇用の場がないので何とか増やしてほしい」といった要望が出されたという。また、小宮山厚労相は、緊急雇用創出事業を使って被災者を雇用している復興釜石新聞の取り組みや、野田市長からの要望も聴いた。

 また、小宮山厚労相は、去年6月から再開した市内の水産加工会社を訪れ、工場内を視察した。この会社は工場再開に伴って60人の従業員を雇用していて、社長からは「募集をかけたが、失業給付をもらい終わってからという人も多く、なかなか人が集まらなかった」という雇用する側の悩みも説明された。

 沿岸の被災地では、震災に伴ってこれまで雇用保険の失業給付の延長措置が取られてきたが、今月中旬から給付が切れる人が出始めている。釜石市では3月末から4月にかけてがピークになる見込みで、生活再建につながる雇用の確保が大きな課題となっている。

 小宮山厚労相は「多くの事業所が再開するのは春先とか6月という話なので、それまでつなげるための準備もしながら、少しでも手当と仕事の切れ目がないようにしていければいいと思っている」と述べた。この他、行政だけでなく非営利組織(NPO)とも連携して雇用を創出していく必要性も強調した。