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参院で「一体改革」実質審議入り

2012年7月18日 17:32
参院で「一体改革」実質審議入り

 「社会保障と税の一体改革関連法案」について、18日から参議院の一体改革特別委員会で実質的な審議が始まった。野田首相は改めて一体改革の必要性を強調したが、17日も離党者が出るなど、政権の足元は揺らいでいる。

 野田首相「全世代対応型にしていくということが今、求められているという状況で、社会保障の改革は待ったなしだと思う。そのための安定財源として、消費税を国民にお願いするというのが、今回の社会保障改革の意義だと承知している」

 参議院での実質的な審議の開始に先立ち、民主党所属の参議院議員3人が17日、離党届を提出した。

 また、衆議院の消費税増税法案の採決で反対した中津川博郷議員も18日午前、尖閣諸島問題をめぐる政府の対応への不満などを理由に離党届を提出した。

 中津川議員「東京・石原都知事の言うことに背中を押された形だが、それに反対した中国の丹羽大使を呼びつけたのはいいが、何の処分もない。これはだめだ。日本の国益、守る気はあるんだが、これは口先だけだなあと。それで私は今回、こういう行動を起こす決断をした」

 離党の動きに歯止めがかからない事態を受け、野田首相は参議院の審議を通じて法案を修正する可能性に言及した。法案の修正に言及することで、民主党内の「離党予備軍」への配慮を見せた形。しかし、実際には3党合意があるため、修正は容易ではない。

 野田首相「新たな観点が見つかるとか、あるいはここは変えたほうがいいという議論が出てくるならば、今の制度改正にプラスして、より改善をされるということならば、そういう議論はあってしかるべきだと」

 一方、自民・公明両党は18日朝、幹部が会合を開き、民主党からさらなる離党者が出る可能性もあるとして、野田首相に対する問責決議案や内閣不信任案の提出も含めて、状況を見ながら対応していくことを確認した。

 一体改革の関連法案は、早ければ来月のお盆前にも採決の環境が整う見込みだが、採決では再び民主党から造反が出る可能性がある。民主党執行部は、さらなる党分裂を警戒しながらの国会運営を強いられている。