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党首選が活発化…「選挙の顔」求める動きも

2012年9月4日 20:06
党首選が活発化…「選挙の顔」求める動きも

 民主党代表選と自民党総裁選に向けて、それぞれの党内で候補者擁立の動きが活発になっています。今回の「リーダー選び」には、次の衆議院選挙を意識して「選挙の顔」を求める動きも明らかになってきています。

 4日朝、官邸に現れたのは細野環境相。いま、民主党内の一部の議員から代表選で野田首相の対立候補として擁立しようという動きが出ています。細野環境相は会見で、代表選について問われると、「福島をはじめとした被災地の課題は、日々、本当に様々出てきていて、それに対応しなければならない。それをしっかりやり抜くことがもっとも重要です。したがって、代表選については考えていない」と厳しい表情で答え、出馬には慎重な姿勢を崩しませんでした。ただ、細野環境相の擁立を目指す動きは一部の若手議員から中堅議員まで広がりを見せ始めています。なぜなのでしょうか。

 細野環境相の名前が挙がる背景には、党内の議員が次の衆議院選挙を意識しているからとの見方もあります。支持率が低迷する民主党は、このままだと次の衆議院選挙では、苦戦するとの指摘もあります。そこで、「選挙の顔」とも言える代表を野田首相から41歳という若い細野環境相に替えることで、少しでも選挙を有利に戦いたいと考える民主党議員が出てきているわけです。

 ただ、細野環境相は野田内閣の一員であることに加え、担当している原発事故への対応は続いていて、立候補は難しい立場です。細野環境相に近い議員も「細野さんはあくまでも映画の予告編を見ているだけで、本編に出ようという気はないと思う」と、出馬に否定的な見方を示しました。まだ、民主党代表選の候補者の顔ぶれは固まってきておらず、党内には田中真紀子元外相や山田元農水相、桜井政調会長代理を推す動きもあります。

 一方、4日朝、国会でフラッシュを浴びていたのは自民党の石原幹事長。2日に出馬への意欲をにじませた発言をしたことについて「総裁を支える幹事長としておかしい」などと批判が出たため、4日の会見では「これまでも谷垣総裁を支えてきたし、幹事長の任にある間はしっかりと総裁を支え、党の運営に万般齟齬(そご)のないよう頑張ってまいりたいと思っております」と釈明しました。また、自らの出馬については「発言を慎む」と述べるにとどめました。党内で出馬をうながす声があがるのは、やはり「選挙の顔」として、石原幹事長に期待する声があるからです。

 出馬の意向を固めた石破前政調会長についても支持する議員は「選挙」を意識した発言をしています。石破前政調会長は、世論調査で比較的支持率が高いことなどから、次の衆議院選挙に向けて党のリーダーにふさわしいというのです。

 出馬に意欲を示す安倍元首相も同様です。安倍元首相は「橋下大阪市長や大阪維新の会は、日本を変えていくパワーを持っていると思います」「彼らの力を生かしていく道についても考えていきたいと思っています」と語りました。大阪維新の会と良好な関係であることから、安倍元首相がトップであれば衆議院選挙後に連携する場合、スムーズだという見方もあるのです。

 また、再選を目指す谷垣総裁については、総裁としての3年間の実績を評価する声があるほか、立候補の意向を固めた町村元官房長官もベテランとしてその安定感に期待する見方も出ています。また、政策通で知られる林政調会長代理も立候補に意欲をみせています。