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北方領土問題進展へ…大きな成果~安倍首相

2013年4月30日 11:38

 ロシアを訪問している安倍首相は29日、モスクワでプーチン大統領と会談し、北方領土問題を巡る本格的な交渉を再開させることなどを盛り込んだ共同声明を発表した。

 安倍首相「今回の会談で交渉を再スタートさせ、加速化させることに合意したことは大きな会談の成果だったと思う」

 共同声明では「両首脳の議論のために交渉を加速化させることをそれぞれの外務省に指示する」と明記され、両首脳が直接、領土問題を議論し、決断していく意欲を示した。しかし、記者会見で「ロシアによる北方領土の実効支配が強まり、日本には受け入れ難い状況だが」との質問に対し、プーチン大統領が顔色を変える場面もあった。

 プーチン大統領「この問題は我々がつくったものではなく、過去からの遺産です。双方に受け入れ可能な形で解決したい」

 日本は北方四島が日本の領土であることを確認したいのに対し、プーチン大統領は「歯舞、色丹の2島返還で決着」という方針を変えていないため、日本政府では「交渉は厳しいものになる」との見方が大勢。その一方、プーチン大統領にとって天然ガスなどのエネルギー分野では日本の協力は欠かせない状況。従って、日本政府には「領土問題で歩み寄りを引き出せる」という期待感があることも確かだ。

 また、声明には外務防衛閣僚級協議の開催など安全保障分野での協力も盛り込まれた。あらゆる分野で協力関係を強化せざるを得ない状況を生かしながら、安倍首相がいかに解決策を見いだしていくか、外交手腕が問われることになる。