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予算案、今夜成立へ 野党側は訪朝ただす

2013年5月15日 20:45

 総額92兆6000億円に上る今年度予算案は、15日夜に成立する運び。

 国会で15日、今年度予算案をめぐって締めくくりの質疑が続いている。4年ぶりとなる自・公政権による予算案は、野党の反対多数で参議院では否決されるものの、衆議院の議決が優先するという憲法の規定により、15日夜遅くには成立する運び。

 好調な経済指標を追い風に、安倍政権のペースで国会審議は進んだ。今後は、衆議院の議員定数削減という「宿題」を抱えながら、各党ともに夏の参議院選挙に向けた動きを活発化させることになる。

 一方、14日に明らかになった飯島内閣官房参与の北朝鮮訪問について、野党側は15日の参議院予算委員会で安倍首相にただした。

 飯島氏は、小泉政権で02年の電撃的な北朝鮮訪問に関わった人物。今回の訪朝が臆測を呼ぶ中で、安倍首相をはじめ、政府関係者は「ノーコメント」を繰り返している。

 民主党・川上義博議員「(飯島参与の訪朝を)首相は事前に知っていたと、あるいは了解した(のか)」

 安倍首相「首相としてノーコメントです」

 ただ、複数の関係者情報を総合すると、飯島氏の訪朝については安倍首相も了承しており、菅官房長官と古屋拉致問題相というごく限られたメンバーで、官邸主導で進めていたことがわかった。

 また、目的については、08年の日朝実務者協議で決めた「日本側は経済制裁の一部解除を、北朝鮮側は拉致問題の再調査を開始する」ことを話し合うとの見方が有力。

 さらに、安倍首相は15日午後の参議院予算委員会で、北朝鮮・金正恩第1書記と直接会談する可能性について「当然、かつて小泉首相が訪朝して5人の被害者の方々が日本に帰国できて、ご家族の方々もその後もう一度訪朝して帰国できた。そうしたことも当然、我々は考えながら交渉していかなければならないと思っている」と述べている。