五輪メダル500個の道のりは? 獲得数が急増したワケ “お家芸”でメダル量産?【#みんなのギモン】
そこで今回の#みんなのギモンでは、「五輪メダル500個の道のりは?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●メダル数が急増したワケ
●日本のお家芸メダル量産?
「まずは、この記念すべき今大会ひとつめのメダルから最新の7つ目までを見てみたいと思います」。
●柔道女子48キロ級 角田夏実選手(31) 金メダル
●柔道男子60キロ級 永山竜樹選手(28) 銅メダル
●柔道男子66キロ級 阿部一二三選手(26) 金メダル
●スケートボード女子ストリート 吉沢恋選手(14) 金メダル
●スケートボード女子ストリート 赤間凛音選手(15) 銀メダル
●フェンシング 男子エペ個人 加納虹輝選手(26) 金メダル
●競泳男子400メートル個人メドレー 松下知之選手(18) 銀メダル
富田解説委員
「まだ大会はじまったばかりですが、ここまで金メダルの数は日本がトップなんです」
陣内貴美子キャスター
「私が選手時代にバルセロナ五輪に行ったときは、選手村に金・銀・銅、4、5、6、7、8位の入賞まで全て貼り出しがありました。金メダルをどの競技で誰がつかんだかが全て出る。他の選手たちも、『こんなに取ったんだ!』と、それを見て興奮していましたね。そこからパワーをもらったりしていました」
富田解説委員
「夏のオリンピックで日本が最初にメダルを取ったのは何の競技かというと、1920年、ベルギーのアントワープ大会、テニス男子シングルスで、熊谷一弥選手が銀メダルを獲得しました」
「そして、日本勢最初の金メダルを取ったのは、1928年、オランダ・アムステルダム大会で、陸上男子三段跳びの織田幹雄選手です」
富田解説委員
「500個のメダルの歴史をグラフにしました。1964年の東京オリンピックでまず100個に到達。その後1976年、モントリオール大会で200個に到達。そして、2000年シドニー大会で300個、2012年ロンドン大会で400個。そして、今大会の角田選手のメダルで500個に到達しました」
「陣内さんが出場したバルセロナ大会は1992年ですから200個と300個の間ですね」
「ここでちょっと注目したいのが、200個から300個まで5大会かかっているんですが、300個から400個は3大会。そして、400個から500個までが3大会。つまり2000年以降、メダルの獲得数がぐっと伸びているんです」
富田解説委員
「この背景に何があるのかというと、オリンピックはそもそもアマチュア選手のための大会でした。それが1974年にオリンピック憲章からアマチュアという文字が削除されて、プロ選手も出場できるようになりました。このルール変更によって、オリンピック全体の競技力が向上しました」
「ところが日本はその後も、オリンピックといえばアマチュアという意識が根強く残っていたため、プロ選手がどんどん出てくる海外勢に苦戦を強いられていたのです」
「ただ2000年代になってようやく日本国内でもオリンピックにプロが出てもいいと認められました。象徴的なこととして、トップアスリート専用のトレーニング施設が建設されたことが挙げられます」
陣内キャスター
「これは本当に革新的で、それぞれの競技専用の体育館や施設があるのですが、それだけでなくてリハビリもトレーニングもできる。とにかく練習に集中できる。そこで調整をしたり、強化をしたりして、そこから遠征に行けるということで、ものすごく助かった施設でした」
富田解説委員
「ちなみにですが、メダルを一番取っている国はどこかといいますと、日本のメダル数は現在506個ですが、毎回メダルを量産しているアメリカは、2600個を超えているんです」
鈴江奈々キャスター
「送り出している選手団の数もアメリカは多いですからね」
富田解説委員
「日本もペースを上げているので、これからですが、日本勢がメダルの量産に入った2000年代といえば、当時どんな活躍があったかというと、マラソン女子の高橋尚子さん、競泳の北島康介さん、そして、レスリングの吉田沙保里さん」
山崎誠アナウンサー
「北島さんがメダル取ったとき、私は高校生でしたが、クラスみんなで『なんも言えねえ』という言葉を言っていましたね」
森圭介キャスター
「レスリングの吉田沙保里さんも3大会連続の金メダルでした」
富田解説委員
「そして前回の東京大会では史上最多となる58個のメダルを獲得しました」
鈴江キャスター
「今大会では55個を目標にしていますが、それを上回るぐらいのハイペースな活躍を見せてくれています」
富田解説委員
「続いて、競技別のメダル獲得数みていきたいと思います。上位3つの競技は体操、柔道、競泳です。日本のお家芸と呼ばれる競技で大量に獲得しているんですね」
陣内キャスター
「競技が違っても、互いに刺激をもらい合いますからね。楽しみです」
鈴江キャスター
「またメダルにかかわらず、私たちがいろんな感動をもらえるのがオリンピックの良さですね」
富田解説委員
「冒頭からロケットスタートを見せている日本勢ですが、今大会どこまでメダルを伸ばすのか、期待して見ていきたいと思います」
(2024年7月29日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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