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参院選へ始動 野党は足並みの乱れ

2013年5月21日 19:47
参院選へ始動 野党は足並みの乱れ

 今年度の予算も先週、成立し、安倍首相はじめ、各党幹部は夏の参議院選挙に向け地方を訪れるなど動き始めています。その一方で、野党の中では参議院選挙に向けた協力を取りやめるなど足並みが乱れています。

 21日朝、安倍首相は神奈川・横浜市の保育施設を訪れました。全国の“待機児童”の数を5年間でゼロにする目標を掲げているだけに、今年4月現在で待機児童の数をゼロにすることに成功した横浜市のノウハウを参考にしようというのです。別の認可保育所では子どもたちと一緒に遊ぶ場面も。待機児童の問題に取り組む姿勢をアピールしました。

 18日、19日には九州を視察、大分県の温泉街も訪れました。「湯けむりすごいね」と話した安倍首相。そこで体験したのは“足蒸し”でした。密封した木枠に足を入れ、地下からの湯けむりで足をあたためるものです。「これすごく気持ちいい。気持ちいい、ほっとする。予算委員会の疲れがとれるよ」と語りました。安倍首相、英気を養ったようでした。

 一方、民主党・細野幹事長は19日、訪れた福島県で田植えに参加しアピール。安倍政権をちくりと批判しました。

 「日本全体でいうと、安倍総理自身が(政治路線が)右に寄りがちだと自覚されているということだが、きょうの田植えでも私はまっすぐ歩きましたから、その道をしっかり歩いていきたいと思います」

 一方で徳島・勝浦町。野田前首相が訪れたのは、いちご農家でした。こちらの農家の特徴はユニークな営業活動。それはなんと、いちごのかぶりものです!野田前首相も「体をはって営業しているということがよくわかりました」と感心していました。すると野田前首相、経営者が手に持つ何かに気づいたようです。野田前首相が「おっ、これは?」と経営者にたずねると、「これはたまたまあったので、前総理に」と答えつつ、もう1つのいちごのかぶりものを野田前首相に差し出しました。そして、それを素直にかぶる野田前首相…なんと、首相経験者がかぶりものを!これには経営者も「めっちゃうれしいですよ!まさかこんなの頼んでいいとは思わなかった」と、驚きと喜びを隠せません。野田前首相も思いもよらないお願いに「まさかこんなふうになるとは思わなかった」と、笑顔で話しました。野田前首相の体をはったアピールでした。

 一方、野党の間では不協和音も。21日、みんなの党・渡辺代表はこう話しました。

 「政策以前の基本的な価値観のところで大きな乖離が生じてしまった。こうした基本的な価値の相違がある以上、日本維新の会とは関係の全面的な見直しを行わざるをえない」

 みんなの党は、日本維新の会との間で進めてきた参議院選挙の選挙協力を解消することを決めました。維新の橋下共同代表が述べた、旧日本軍の従軍慰安婦の問題などをめぐる発言が発端となり、みんなの党側は「基本的な価値観が異なる」などとして維新側と距離を置く動きにつながったのです。21日朝、橋下代表はこう述べました。

 「もう仕方がないと思います。みんなの党の判断ですから。選挙で有利か不利かを一番重視していることはよくわかった。ただ、こちらは政策で一致するかどうかを重視していくので、これは相手のある話なので僕らがいくら言っても仕方ない」

 自民党に対抗するための選挙協力でしたが、選挙を前にご破算になってしまいました。

 国会の会期も残り約1か月。参議院選挙をにらんだ各党の動きはますます活発になりそうです。