首相、国際社会に貢献策アピール 国連総会
アメリカ・ニューヨークを訪問中の安倍首相は25日、国連総会で演説し、エボラ出血熱やイスラム過激派組織「イスラム国」への対応など、国際社会の課題に積極的に取り組む姿勢を示した。国連本部前から竹内真記者が中継。
安倍首相は演説を英語で行い、冒頭、国際社会が今まさに直面する課題を取り上げ、日本の貢献策をアピールした。
安倍首相「エボラ出血熱との闘いに、日本政府はあたう限りの力を尽くします。総額で4000万ドル(約44億円)に上る追加支援を実施します」
安倍首相はさらに、日本企業が開発した薬の提供など、「あらゆる施策を講じる準備がある」と述べた。また、イスラム国の活動は「国際秩序への重大な脅威とみなす」と批判した上で、中東地域に向け約55億円の緊急支援を実施すると表明した。
こうした貢献策を示した上で、来年、国連発足70周年の節目となるのを機に、国連安全保障理事会の常任理事国入りに意欲を示した。
安倍首相「日本は常任理事国となり、ふさわしい役割を担っていきたい」
また、去年と同様、「女性が輝く社会」をつくろうと訴えたほか、女性の人権問題に時間を割き、「紛争下での性的暴力をなくすため、国際社会の先頭に立ってリードしていく」と強調した。いわゆる従軍慰安婦問題などで国際社会から日本への批判も出ている中、女性の人権重視をアピールした形。また、北朝鮮について、拉致や核などの懸案解決のため「関係国と協調していく」と述べた。
演説の最後に「日本は約束は必ず実行する国」と訴えた安倍首相。今後、まさに言葉に違わない、実行、実現する力が問われることになる。