日米両政府は、自衛隊とアメリカ軍の役割分担を定めた防衛協力の指針（＝ガイドライン）見直しに向けた中間報告を発表した。

　今回のガイドライン見直しは、軍備拡大を進める中国を念頭に、日本の防衛をより強固にするためのもの。中間報告では、武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」も含め、「平時から緊急事態までのいかなる段階においても、切れ目のない措置をとる」と、日米協力の強化を打ち出した。

　朝鮮半島有事を想定した従来の「周辺事態」という区分けをなくし、事実上、日本周辺に限っていた地理的な制約を外したことで、自衛隊による対米支援は、中東のホルムズ海峡での機雷掃海も視野に、拡大されることになる。また、新たに、宇宙やサイバー空間も日米協力の対象とした。

　ただ、自衛隊が集団的自衛権を行使する分野については、法整備や与党協議が進んでいないことから、米艦防護を含む「装備品等の防護」など、項目だけを並べ、具体的な記述は見送った。

　日米両政府は、新たなガイドラインを年内にまとめる予定だが、安全保障に関する法整備との兼ね合いから、遅れる可能性が出ている。