西川農水相は、日本がＴＰＰ（＝環太平洋経済連携協定）の交渉に初めて参加する直前に砂糖業界の関連企業から受けていた献金を「けさ、返金した」と明らかにした。

　西川農水相「いささかもみなさんに疑問を持っていただかないように、けさ早く一番で返金はさせてもらいました」

　この問題は、西川農水相の政党支部が２０１３年７月に、砂糖製造業者でつくる「精糖工業会」に加盟するメーカーが出資する貸事務所会社「精糖工業会館」から１００万円の献金を受けていたもの。

　政治資金規正法では、国からの補助金の交付決定から１年間は、政治献金を行うことを禁じているが、精糖工業会は２０１３年３月に農林水産省の事業で１３億円の補助金交付が決まっていた。この献金が行われた当時、日本はＴＰＰ交渉に参加する直前で、西川農水相は自民党のＴＰＰ対策委員長だった。

　西川農水相は、献金を受けた精糖工業会館は精糖工業会とは別法人で「違法性はない」との認識を示したが、疑念を持たれかねないとして返金を決めたとしている。

　ＴＰＰ交渉で砂糖は、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品と並ぶ重要５項目の一つで、製糖業界は国内の栽培農家を含めた保護措置を訴えている。