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橋下氏が引退表明 中央政界への影響は?

2015年5月18日 17:40
橋下氏が引退表明 中央政界への影響は?

 大阪市の橋下市長の引退表明を受け、国政にも大きな波紋が広がっている。国会から中村圭吾記者が中継する。

 18日午後から維新の党の松野幹事長ら幹部が、国会の中で対応を協議している。橋下氏の引退表明を受けて江田代表は党代表を辞任する意向を表明し、後任に松野幹事長を推す考えを示した。ただ、党内には「江田氏が代表を続けるべきだ」とする意見や「代表選を行うべきだ」とする意見も出ており、19日、執行役員会を開いて対応を協議する予定。

 こうした中、民主党内からは維新の一部を吸収するなど、野党再編を積極的に仕掛けるべきだとの声が出ている。ある閣僚経験者の一人は、「維新がばらけるのを黙って見ていてはダメだ。本気で取りにいかなければ」と強い意欲を示している。

 一方で、民主党の枝野幹事長は18日、「維新の中の事情を十分、配慮しながら自民党と対峙(たいじ)したい」と述べ、国会対応での連携に期待感を示すことにとどめている。民主党執行部は、党内には野党再編に慎重な意見も多いことから水面下で維新側との連携を慎重に探る方針。

 一方、安倍政権は憲法改正などをめぐり橋下氏との連携を模索していたが、菅官房長官は18日、それほど影響はないとの考えを強調した。ただ、首相周辺が「憲法改正などで協力を進めていきたかったが残念だ」と話すなど、ショックを受けているのが実態のようだ。

 引退表明した橋下氏の国政への影響力は低下していくとみられ、安倍政権は戦略の練り直しが必要となっている。