保育士の給料めぐり「男尊女卑」と追及
国会では16日、熊本地震に対応するための補正予算案を審議する衆議院予算委員会が開かれている。民進党の山尾政調会長は、保育士の給料をめぐり安倍首相が全産業の女性労働者との差が月額4万円程度であることを踏まえ、処遇改善を行っていく考えを示したことについて、男尊女卑ではないかと追及した。
民進・山尾政調会長「(保育士の給料を)まず女性の平均を基準にすると。そこまで行くのがまず目標だと。保育は女性の仕事なんですか。もう一つ、男女の賃金格差があるという、大きな社会問題を認めるんですか。物差しに使うということは、この2点をまず前提とするということです。この発言、撤回されますか」
安倍首相「一気に全部やると、それがそう簡単なことであればですね、みなさん民主党政権時代におやりになりゃよかったじゃないですか。私たちはまずはそこ(女性の平均)まで上げていくということでありまして。この問題はですね、ただ単に相手をですね、ののしったり誹謗(ひぼう)中傷する話じゃないんですよ」
山尾政調会長「今この場で女性の平均賃金という物差しを、これが適切なんだと。だったら、なぜ途中の物差しとしてそれは適切なのか。しっかりこたえていただきたいと思います。このままいったら女性活躍政権どころか、男尊女卑政権だと言われますよ」
安倍首相「わが国におけるフルタイムの男女労働者間の賃金格差はですね、賃金格差の2大要因は、まず一つは、大切なことですから、説明させてください。管理職比率と勤続年数の差異となっています」
安倍首相は、保育士の給料についてはまず女性労働者の平均水準まで上げていくこと、一方で女性の給料については女性の管理職への登用を進め、勤続年数をのばすことで男女の格差を縮めていく考えを強調した。
これに対して山尾政調会長は、保育士の給料が全女性の平均よりも低いことを問題にするのはおかしいとして、「この政権は男尊女卑政権だ」と厳しく批判した。