メルトダウン対応“官邸指示”に枝野氏抗議
福島第一原発の事故を検証する東京電力の第三者検証委員会が提出した報告書について、事故当時の官房長官だった民進党の枝野幹事長は17日、著しく不適切だと抗議した。
第三者委員会は東京電力が「炉心溶融」いわゆる「メルトダウン」を認めることについて首相官邸側から慎重な対応をするよう要請を受けたとみられるとしている。
事故直後、記者から「炉心溶融」について問われた時の記者会見では、東電社員が当時の武藤副社長にこんな耳打ちをしていた。
東電社員(武藤副社長に)「官邸から、これとこの言葉は絶対に使うなと」(2011年3月14日の記者会見)
第三者委員会の報告について当時の官房長官だった枝野氏は17日、次のように抗議した。
民進党・枝野幹事長「いかなる場面においても炉心溶融という言葉を使わないように、指示または要請した事実はありません。当職の私の信用を毀損(きそん)させかねない報告書を発表したことは著しく不適切であり、厳重に抗議をするものです」
また第三者委員会から調査への協力要請すらなかったとして今後、法的措置も含め検討する考えを示した。
さらに枝野幹事長は「参院選を目前にこのように一方的で不誠実な調査結果と称するものを公表するのは選挙妨害の疑いを免れない」と述べた。