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【解説】“見極める”首相発言に変化 永田町では「解散についてはウソついていい」言葉も 大義は…

2023年6月14日 10:52
【解説】“見極める”首相発言に変化 永田町では「解散についてはウソついていい」言葉も 大義は…

岸田首相が衆議院の解散・総選挙について、「情勢をよく見極めたい」と述べました。これまでとは発言のニュアンスが変わったことに、「首相の本心はどこなのか?」と政界がザワついています。

●疑心暗鬼…いつ解散
●「伝家の宝刀」
●解散の大義はどこに?

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■解散・総選挙…これまでは「考えていない」 13日に変化「情勢を見極めたい」

岸田首相は先月下旬まで、「解散・総選挙については考えていない」と繰り返し強調してきました。それが13日の会見で記者から今国会での解散の考えについて問われると、これまでとは変化した発言が飛び出しました。

岸田首相
「いつが適切なのか、諸般の情勢を総合して判断していく。今の通常国会、会期末間近になっていろんな動きがあることは見込まれます。よって、情勢をよく見極めたいと考えております」

このように答えた岸田首相は、かすかに笑みを見せたようにも見えました。

この発言を読み解きます。岸田首相はこれまでは「考えていない」としていたのが、13日は「情勢をよく見極めたい」と今の国会での解散を行う可能性も排除しないと初めて口にした形です。

実際、首相周辺は「考えてないと、見極めないでしょ」と半ば検討していることを認めています。ある野党の幹部からは「もう解散するんだろうな」と覚悟を決めたような反応までありました。

■“伝家の宝刀” 永田町では「解散についてはウソをついてもいい」言葉も

解散に関する首相の動向がここまで注目されるのは、やはり解散が首相にとって「伝家の宝刀」だからです。

解散は、465人の衆議院議員全員にとって「クビ」になるということを意味します。4年の任期の途中で無職になるわけです。

私たち国民にとっても、解散後に実施される総選挙で自分たちの代表を選ぶため、重要な意味があります。総選挙では内閣の「政策」や「課題」について国民に信を問い、「最新の民意」を政治に反映させることになります。

ただ、そのための解散をできるのは事実上「首相のみ」です。そのため、「伝家の宝刀」と呼ばれているわけです。

もう1つ、政治の世界・永田町では、「首相は解散については、ウソをついてもいい」と言われていることがあります。過去の出来事を振り返ります。

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