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菅長官「夫人は寄付していない」証言を否定

2017年3月23日 15:00
菅長官「夫人は寄付していない」証言を否定

 国会では、大阪の学校法人・森友学園の籠池理事長の証人喚問が行われている。籠池氏は安倍首相の昭恵夫人から2015年9月に寄付金として100万円を受け取ったと改めて主張した。天野裕貴記者が中継で伝える。

 籠池氏は、寄付金を受け取った際には随行の職員も席を外して昭恵夫人と2人きりの状況だったと証言した。

 籠池理事長「園長室で私との対面していただいた時、同行していたお付きの方に、席を外すようにおっしゃった後、私と2人きりの状態で『1人でさせてすいません。どうぞ、安倍晋三からです』というふうにおっしゃって、寄付金として封筒に入った100万円をくださいました。昭恵夫人は全く覚えていないとおっしゃっているようですが、私たちには大変名誉な話なので鮮明に覚えております」

 また籠池氏は、寄付金を受け取った直後は金庫に保管し、2日後に郵便局で振り込みを行ったと証言した。これに対し自民党の西田議員は、安倍首相側が寄付金の受け渡し自体を否定しており、面会の時の状況についても籠池氏と昭恵夫人の証言が食い違っているとただした。

 自民党・西田昌司議員「奥様は1人ではないとおっしゃってるんですよ。あなたの証言と全く食い違うんですが」

 籠池理事長「そのお話は違ってると思います。秘書の方は直前にお人払いをされましたので2人であります」

 また、籠池氏は寄付金を受け取った際に昭恵夫人に講演料として、10万円をお菓子の袋の中に封筒を入れて渡したと主張した。

 籠池理事長「10万円の講演料も先に用意しておりましたので、その100万円をいただく前に用意しておりまして、そしてもうご講演終わられて帰る時にお渡しをいたしました。お菓子の袋に封筒をというか、10万円入っております封筒に感謝というめいを入れましてそしてお持ち帰りいただいたということです」

 民進党・福山哲郎議員「総理大臣夫人付きの方がいらっしゃって、その方が一般的に言えば荷物を全部持つというふうに思うんですけども」

 籠池理事長「ええとね。その辺は少し記憶がはっきりとしておりませんので。ええええ…ちょっと申し訳ございません」

 籠池氏はさらに、この問題が国会で取り上げられた後の2月中旬から下旬にかけて昭恵夫人から、「私が関わったということは、裏で何かがあるのではと疑われないように」という趣旨のメールが届いたとして、口止めとも取れる内容だったと主張した。

 また、籠池氏は昭恵夫人に小学校の名誉校長の就任を打診した際、昭恵夫人はその場ですぐに就任を決めたと証言した。一方、国有地の取得などをめぐり籠池氏は、「政治的な関与があった」との認識を示した。

 参院・予算委、山本委員長「小学校の認可申請から国有地の買い受け校舎建設に至る経緯において、政治的な関与があったのかなかったのか」

 籠池理事長「さまざまな長短があろうと思いますが、その都度その都度の場所で、政治的な関与があったのではないかというふうに思っております」

 その上で籠池氏は、小学校建設について相談した政治家として、自民党の鴻池元防災担当相のほか、柳本参議院議員、日本維新の会の東参議院議員らの名前を挙げた。

 また小学校の建設工事をめぐって、金額の異なる3種類の契約書の作成を依頼したことについて籠池氏は、「刑事訴追を受ける可能性があるので」として答弁を避けた。

 こうした中、菅官房長官は記者会見で「安倍首相は自分で寄付をしていないし、昭恵夫人ら第三者を通じても寄付をしていない」、「昭恵夫人個人としても寄付は行っていない」と述べ、籠池氏の証言を否定した。また、昭恵夫人が口止めとも取れる内容のメールを送ったという籠池氏の主張についても、「私が承知している限り、全くない」と述べた。