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札幌の中学校でまた個人情報流出事実と異なる記載も 親の憤怒・専門家の指摘・現場の“リアル”

2024年7月8日 18:30
札幌の中学校でまた個人情報流出事実と異なる記載も 親の憤怒・専門家の指摘・現場の“リアル”

(情報流出した生徒の保護者)「担任の先生から連絡がありまして、その時に先生がおっしゃっていたのは、授業の引継ぎのために使う用紙を生徒が見てしまった。職場としての管理体制はかけ離れたところにあるよねという不信感につながりますよね」

こう語るのは個人情報が流出した生徒の保護者です。

札幌市の中島中学校で2024年5月16日に、教室の教卓の上に複数の生徒の個人情報が書かれた資料がファイルにはさまれた状態で放置されていたのを生徒が発見しました。

教諭がすぐに回収しましたが、複数の生徒が資料の内容を見たということです。

資料は生徒の指導や支援を目的に学校が作成したもので、数日前から置かれていました。

個人情報が流出した生徒の保護者は、資料には事実と異なる内容が記載されていて、学校から謝罪をうけたといいます。

(記者)「実際にADHDという事実は?」

(情報流出した生徒の保護者)「ないですね」

資料にはこの生徒に対して、医師の診断がないにもかかわらず、注意欠如・多動症を意味する「ADHD」と記載されていたといいます。

(情報流出した生徒の保護者)「何をもってというところが疑問なのと、そういう傾向があると思うのは先生の勝手というか、主観なので。それは職員同士でというか、組織として子どもに見せるものではないですよね、間違いなく。二度と起こってほしくないことですし、せっかく楽しく学校に行っているので、そういうことひとつで学校に行きたくないとか、何がきっかけでそうなるか分からないので」

札幌市内では2024年5月にも、あいの里東中学校で、中学1年生の生徒の家庭状況などが書かれた資料が紛失したとして札幌市教委が謝罪、その後、資料がSNS上で拡散していたことが判明しました。

市教委は8日、管理職の許可なく資料を持ち出した20代の女性教諭を「戒告」、50代の校長を「減給1か月」の懲戒処分にしたと発表しました。

教育現場で止まらない情報流出。

札幌市内の中学校で教壇に立つ現役教諭は、生徒の個人情報を教諭間で共有する必要性と難しさを打ち明けます。

(現役教員)「小学校と違って、中学校は複数の教員が生徒指導や教科指導にあたる関係で、関わる教員は生徒の細かな情報を把握しておく必要があるんです。知らなかったでは済まないので。変な偏見ですとか持たないようにという風には思っていますが、あったことで助けられたことも私もたくさんありますし、これは絶対に伝えなきゃいけないな、必要だなと思うものも多々あるんですよね」

生徒の情報の共有は円滑な学校運営に欠かせない一方、どう管理すればいいのでしょうか。

専門家はー

(札幌学院大学 川原茂雄教授)「できるだけペーパーレスで、デジタルで管理する方法が進んでいる。どんなデータであっても、生徒の目に触れてはいけないものは学校の中にあるわけで、職員室や会議室内にとどめる、常識として身に着けていく必要がある」

市教委はSTVの取材に対し「短い文言で書き方が荒くなってしまった部分もある。情報管理のあり方も含めて学校に指導している」などと回答しました。

現時点でインターネットへの流出は確認されていないということですが、詳しい経緯は明らかにしていません。

中学校では今後、保護者向けの説明会を検討しているということです。

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