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衆院選:自公大勝 影響は…政治記者が解説

2017年10月23日 5:01
衆院選:自公大勝 影響は…政治記者が解説

 22日に行われた衆議院選挙で、自民・公明の与党が現段階で、合わせて312議席を獲得し大勝した。今回の選挙結果による影響をどう見るのか、政治部・富田記者の解説。

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 Q.自民党の勝因は?

 大きな要因は、民進党の分裂によって安倍政権への批判票が分散したことだ。自民党内からは「野党がひとつにまとまっていたら、政権交代はあり得た」との声も出ている。

 選挙前は大きな脅威と見られていた「希望の党」の失速もあり、敵失に助けられた形。

 Q:安倍政権への影響は?

 安倍首相の政権基盤は強化されたことになる。さっそく二階幹事長も来年9月の自民党総裁選で安倍首相が再選することを支持した。ただ、安倍内閣の支持率は高いとは言えず、安倍首相が22日夜、「1年先の話はまだ白紙だ」と語ったように、この先、盤石の状況が続くとは言い切れない。

 Q:今後の野党の動きは?

 厳しい結果となった「希望の党」は、小池代表が帰国する25日に今後の党の体制などについて協議する方針。小池氏は代表を続けるかについて、「仲間と相談する」として明言を避けたが、党内から責任を問う声が上がる可能性もある。

 また、野党再編の動きも続きそうだ。今回躍進した立憲民主党を中心に、民進党の参議院や無所属議員らが結集していく流れになるのか、あるいは別の枠組みが浮上するのか道筋は見えていない。

 Q:憲法改正をめぐる動きは?

 自民・公明両党で再び憲法改正の国会発議に必要な3分の2を確保したが、安倍首相は与党以外の各党にも理解を求めていく考えで、とりわけ「希望の党」については「憲法改正に前向きな人が多いと認識している」と述べ、連携に期待を寄せている。

 ただ、これまで2020年の新憲法施行を目指すとしてきたことについて22日夜は、「一つの目標として挙げたが、スケジュールありきではない」と急がない考えを示した。

 Q:今後の国会運営への影響は?

 政府・与党内には首相指名の特別国会を開いた後、秋の臨時国会は見送って、来年の通常国会で仕切り直すという案も浮上している。

 野党側は引き続き森友学園や加計学園の問題について説明責任を求める構えだが、政府与党が今回の勢いをかって説明の機会を避けるなど強気の国会運営に戻れば、一気に支持率下落に直面する可能性もある。