米・国務長官発言は“スタンドプレー”か
「前提条件なしに北朝鮮と対話をする用意がある」との、アメリカ・ティラーソン国務長官の発言に対して、日本政府はこれまでのアメリカ政府の方針に変更はないとの見方を示している。青山記者が解説。
■日本政府内の分析は
外務省の関係者は、今回のティラーソン長官の発言は「無視していい」と言い放っている。
というのも、発言を受けて日本政府は、すぐにホワイトハウスに真意を問いただし、「対話のための対話には応じない」という方針を確認したという。
菅官房長官「北朝鮮に関する考え方に変更はないということを(ホワイトハウスは)発表してるから、その通りだと思う」
政府高官は、今回の発言は「ティラーソン長官のスタンドプレーではないか」と話している。
こうした強気の分析の背景は、日本政府内にティラーソン長官がそう遠くない時期に更迭されるとの見方が強いからだ。
■アメリカが北朝鮮政策を変える可能性はないとみていいのか
それは一概には言えない。政府内には、アメリカが北朝鮮と核・ミサイル開発の放棄を前提としない交渉を始めて日本が置き去りにされることへの警戒感が、つねにある。
安倍・トランプの蜜月関係で、すぐにはないと踏んでいるが、一方で平和的な解決のためにどこかで対話にのり出す必要はある。
北朝鮮への次の戦略はどうあるべきか、日本政府は不断の模索が求められている。