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総裁選、憲法改正…安倍首相、正念場の1年

2018年1月1日 8:14
総裁選、憲法改正…安倍首相、正念場の1年

2018年の安倍首相は、今年9月の自民党総裁選に勝利して憲法改正に道筋をつけることができるのか、正念場の1年となる。

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総裁選で3選を目指す安倍にとって最大のハードルは、今月22日に召集される通常国会。

安倍首相(12月19日講演)「通常国会等で頭がいっぱいでですね、その先(総裁選)のことは終わってから考えようと思います」

通常国会では、今年度予算案のほか、長時間労働の是正をはかるための「働き方改革関連法案」の行方が焦点となる。

これに対して野党側は、森友・加計問題に加え、スーパーコンピューターをめぐる詐欺事件で逮捕・起訴された社長と政権の関わりを徹底的に追及する方針。

通常国会の審議が混乱すれば政権が窮地に陥るおそれもあって、首相周辺も「何が起きるか分からない」と警戒感をあらわにしている。

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一方、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応も重くのしかかる。北朝鮮有事への懸念も高まっていて、不測の事態に備える緊迫した情勢が続く。

安倍首相がこうした今年前半を何とか乗り切って、総裁3選の環境を整えることができるかが焦点。

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それと同時並行で、悲願の憲法改正に向けた論議をどれだけ具体化できるかも大きなポイント。

安倍首相(12月19日講演)「オリンピック・パラリンピックが開催される2020年、日本が大きく生まれ変わる年にするきっかけとしたい。憲法について議論を深め、国の形、あり方をおおいに論じるべきだと思っています」

安倍首相は、2020年に憲法9条の改正も含む新憲法の施行を目指す方針を表明していて、まずは自民党案がいつまでにまとまるかが焦点。

その上で、衆参の憲法審査会で発議に向けた議論に入りたい考えだが、慎重意見も根強い与党・公明党との調整や、野党との協議は難航も予想される。自民党内には総裁選までの発議が望ましいという声もあるが、政権幹部は「再来年の参院選がデッドラインだ」(去年12月取材)と話している。

去年の衆院選では大勝したものの、今年の安倍首相の道のりは決して楽観できない。慎重で丁寧な政権運営が求められる。