BPO放送人権委がサンテレビ報道番組に見解「人権侵害なく、放送倫理違反があるとは言えない」

BPO=放送倫理・番組向上機構の放送人権委員会は、兵庫県に拠点を置くサンテレビが放送した公務員の不正行為に関する報道番組について、「人権侵害はなく、放送倫理上の問題があるとは言えない」とする見解を発表しました。
審理の対象となっていたのは、サンテレビが2023年9月に放送した報道番組「キャッチ+」です。番組では、兵庫県内の自治体が東京都内に出店したアンテナショップで、この自治体の元課長が代金を支払わずに商品を飲食したり、知人らに公金で食材を送るなど不正行為をはたらいていた、と報じました。
申立人である元課長は、「放送内容は虚偽であり名誉を毀損された」として、放送での謝罪やホームページでのニュース動画の削除などを求めていました。
一方、サンテレビは、「放送内容は真実であり、少なくとも真実であると信じるに足る相当の理由がある」と主張していました。
BPOは18日に開いた会見で、審理結果について一部委員からのサンテレビの取材が不十分だったことを指摘する意見を紹介した上で、「本件放送による人権侵害はなく、放送倫理上の問題があるとは言えない」との見解を公表しました。