安倍首相、まもなく露プーチン大統領と会談
アルゼンチンでのG20首脳会議に出席している安倍首相は、まもなくロシアのプーチン大統領との首脳会談に臨む。現地から柳沢高志記者が伝える。
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安倍首相とプーチン大統領との会談は、ブエノスアイレス市内のホテルで、日本時間の午前2時半から30分間の予定で行われる。
先月14日にシンガポールで行われた日露首脳会談では、北方領土問題解決に向け、歯舞群島・色丹島の引き渡しを明記した「日ソ共同宣言」を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意した。
その後、2週間あまりでの会談となるが、安倍首相は、平和条約交渉を加速させるため、交渉の実務担当者を決めるなど具体的な環境を整えることで合意したい考え。
具体的には、交渉のメンバーに外務省の事務方トップである秋葉事務次官の起用などを検討している。
そのため政府関係者は、「今回の会談では、驚くような内容はないだろう。粛々と進めていく」と話す。
今回の会談を経て安倍首相は、年明けにロシアを訪問、そして来年6月に予定しているプーチン大統領の訪日の際に大枠合意することを目指している。
ただ、プーチン大統領は、前回の会談の後に歯舞・色丹の2島を引き渡した場合でも、主権がどちらにあるかは協議する必要があるとの考えを示し、日本側をけん制した。
今回の会談で交渉の具体的な環境を整えられたとしても、日露双方の認識の隔たりを埋めるのは容易ではない。