衆議院予算委員会で野党側は、厚生労働省の不正統計調査の問題をめぐり、再集計した去年１月から１１月の毎月勤労統計で、前の年に調査したのと同じ事業所の数値同士を比較して実質賃金の伸び率を出すよう、重ねて求めた。

これに対し、安倍首相は「各省庁で検討している」と繰り返した上で、「いつまでに公表できるかは答えられない」と述べた。

一方、この実質賃金の伸び率について野党が独自に試算を行ったところ、プラスになるのは去年６月だけで１１か月の平均ではマイナス０．５パーセントとの結果が出ている。

これについて、立憲民主党の西村議員は「野党が試算した実質賃金の下落ぶりを認めるか」とただした。

これに対し、根本厚労相は実質賃金の伸び率を出すことには「専門的な検証が必要だ」と述べた上で、野党が試算した方法を前提にするならば「おっしゃられたとおりだ」と述べ、実質賃金の伸び率が下落する可能性があることを一部、認めた。