“統一教会”と政治家の関係… 自民党の現職議員が証言 参院選で「票を割り振り」も?
安倍元首相を銃撃した男が強い恨みを持っていたという「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”。今、浮き彫りになっているのが、教団と政治家の“距離の近さ”です。19日夜、取材に応じた自民党の現職議員が語ったことは…。
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いわゆる“統一教会”の関係団体が、今月6日に集会を開きました。その様子が映された映像では、壇上に、この後の参院選で当選した自民党の井上義行氏がいました。
井上義行氏
「私は普通の政治家とは違うんです!」
そして、教団関係者とみられる人物が、興奮気味に話し始めました。
教団関係者とみられる人物
「うちの教会、うちの組織も、たくさんの問題があります。この問題を支援してくださる方が、井上義行先生でございます! 井上先生は、もうすでに食口(信者)になりました。私は大好きになりました! 戦いをするならば、必ず勝たないといけない。勝つことが善であり、負けることは悪でございまーす!」
井上義行氏
「投票用紙2枚目は~?」
参加者
「井上義行~!」
参加者のほとんどは、教団関係者だったといいます。
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この2日後、安倍元首相は銃弾に倒れました。山上徹也容疑者は、恨みを募らせていた教団と関連するNGO集会に寄せられた安倍元首相のメッセージを見たころから、殺害を決意したとみられています。
井上義行氏は、第一次安倍政権で総理秘書官を務めていました。
井上義行氏自身のYouTubeに公開された、6月2日の「井上よしゆき君を激励する会」と題した集会の映像では…
司会
「FWP(世界平和連合)事務総長でいらっしゃいます…」
名前を呼ばれたのは、いわゆる“統一教会”の友好団体「世界平和連合」の幹部です。その後、安倍元首相も登場しました。
司会
「安倍晋三先生、今、ご到着でございます!」
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井上氏は「news zero」の取材に対し、教団との関係について次のように答えました。
井上義行氏
「『世界平和統一家庭連合』では、信徒ではなく、井上よしゆきが政策として掲げている6つの国づくり、これに賛同をえられる『賛同会員』になっています。なお、賛同会員として会費や寄付の提示は受けておらず、また、井上よしゆきからも行っておりません」
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「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”と政治家の“距離の近さ”が、浮き彫りとなっています。
19日午後8時、自民党の青山繁晴参議院議員が取材に応じました。
――自民党と“統一教会”に関係があったのか?
自民党 青山繁晴議員
「そうですね」
青山議員は18日、自身のブログで以下の内容を明らかにしました。
“統一教会”と自民党議員との関係(青山議員のブログより)
「(参院選前に)良心的な議員がわたしにこう語りました。『所属する派閥の長から(旧)統一教会の選挙の支援を受けるようにと指示されたが、断った。そのため派閥の長は、その分の票を別の議員に割り振ったようだ』」
「わたしがこの派閥の長に、事実関係を問うたところ、『各業界団体の票だけでは足りない議員については、(旧)統一教会が認めてくれれば、その票を割り振ることがある』との率直な答えがありました」
――この「派閥の長」の名前は公表しない?
自民党 青山繁晴議員
「しません。ご本人が…というなら別ですけど、私の方からすることはないです」
――相談した議員は“統一教会”からの支持を拒否し選挙活動に臨んで、当選した?
自民党 青山繁晴議員
「当選したか、落選したかは言えないです」
核心に迫る質問については明言を避ける一方、「教団と政治の関係は、昔から与野党限らずある」と証言しました。
自民党 青山繁晴議員
「彼(相談された議員)がなぜ僕に話したかというのは、やっぱり正すべきことがあるから話されたんだと思うんで。安倍さんが健在であれば、それも諫言(かんげん)申し上げたと思うので…無念の限りですね」
「派閥の長」の名前こそ明かしませんでしたが、「安倍元首相に諫言したかった」と話しました。
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一方、国民民主党の玉木代表は19日、教団の機関誌を発行する「世界日報社」から寄付を受けていたことを明らかにしました。
国民民主党 玉木代表
「2016年に世界日報の元社長さんから、2万円と1万円の寄付を私が受けていたこと、これは調べましたら事実です。適正に処理されたものですし、公開もされているので、何らやましいところはございません」
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長年、被害者の救済に取り組んできた、全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広弁護士は、政治家との交流による教団側のメリットについて話しました。
全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「『こんな立派な政治家の先生が、こうやってエールを送っていただけるというのは、やっぱりちゃんとした団体なんだ』と」
教団は取材に対し、「組織的に特定の政党や政治家を支援することはない」としていますが…
全国霊感商法対策弁護士連絡会 山口広弁護士
「全く事実に反しますね。 今回の選挙では『誰の支援をいたします』、個別に具体的に『あなた行ってらっしゃい』と指示を出すんですよ」
これまで、政治家に要望書を渡すなどして、教団の支援を受けないよう繰り返し求めてきたといいます。
(7月19日放送『news zero』より)